2026.07.02
なんしょん? ヘルスアカデミー⑤
今回は淳風会ロングライフホスピタルで肺炎や喘息、肺気腫、肺癌、睡眠時無呼吸症候群などを診療する呼吸器内科の医師、光宗翔先生に、「たばこが健康に与える影響と禁煙によって得られる変化」についてお話をうかがいました。

◆5月31日は世界禁煙デーで、日本では5月31日から6月6日までの1週間を禁煙週間と定めています。たばこの依存しやすさについて。
たばこを吸うと、ニコチンが肺から吸収されて脳に作用し、ドーパミンが放出されます。ドーパミンは強い快感をもたらす脳内神経伝達物質であり、ニコチンは、ほかにもノルアドレナリンやセロトニンの分泌にも関与すると言われています。ニコチンを取り続けることで脳の調整機能が乱れ、依存が形成されていきます。切れたときには、イライラや集中力の低下、頭痛、不安、眠気などの症状が出ることがあります。
◆改めて体に及ぼす影響は?
喫煙は、肺がんや口腔がんだけでなく、ほぼすべてのがんの発症リスクを高めるとされています。また、動脈硬化を進め、脳卒中や心筋梗塞発症のリスク因子になり、さらに、肺や気管支にダメージを与え、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を引き起こします。
◆タバコを吸う本人以外への影響は?
これまでに受動喫煙に対する研究報告はたくさんあり、現在では受動喫煙による肺がん・心疾患・脳卒中のリスクが上昇するとされています。また、子どもにも気管支喘息や中耳炎、乳幼児突然死症候群のリスクが高まることも指摘されています。さらに妊娠中の影響として、流産や低出生体重児の増加も報告されています。
◆最近増えている電子タバコのリスクは?
健康への影響に関する疫学的な情報は十分に蓄積されていませんが、妊娠中の加熱式たばこの使用で妊娠高血圧症候群や低出生体重児のリスク、子供のアレルギー発症などの影響は明らかになっています。また、息を吐く力(一秒率)の低下や歯周病有病率、喘息発作などに関与する傾向にあることも報告があります。日本呼吸器学会では電子タバコや加熱式たばこの使用は推奨しておらず、使用の際は紙巻きタバコと同様の対策が必要と提言しています。
◆今できること
まずは、明日から禁煙にトライしてみましょう。それでも長続きしない場合は、「禁煙外来岡山」や「禁煙外来 香川」で検索してください。自治体のホームページから、保険適用で禁煙治療を受けられる医療機関を確認することができます。自分の健康はもちろんですが、家族や周囲の人の健康のためにも気になった時点での禁煙をおすすめします。




