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小麦粉値上げで「パンのまち」は今…地元で愛される人気店は”庶民の味”を守る覚悟【岡山・総社市】

2022.04.20

小麦粉値上げで「パンのまち」は今…地元で愛される人気店は”庶民の味”を守る覚悟【岡山・総社市】

2022年の春は小麦粉などの値上げラッシュが続いています。パンのまちとして知られる総社市の老舗店にも影響が広がっています。

もちもちの生地にたっぷりのあんこが詰まった定番のあんぱんに…焼き立てのチーズバケット。JR総社駅前で90年以上にわたり地元の人に愛され続けているパンの店「トングウ」です。この老舗パン店にも小麦粉の高騰が重くのしかかっています。

(トングウ 吉田宣弘社長)
「今使っているメインの小麦粉。過去に(価格が)上がったり下がったりはあったが、ここのところ上がり調子で過去に比べて1.5倍は上がっている」

1日に200キロは使うという小麦粉。北米での不作などを理由に価格の高騰が続いているのに加え、ウクライナ情勢の影響で今後さらなる値上げも懸念されます。この状況に追い打ちをかけているのが…

(トングウ 吉田宣弘社長)
「うちの看板商品の油パン1個作るのにも小麦、小豆、シナモンと全てが値上がっている状況」

小豆の仕入れ値はここ数年で倍以上になるなど看板商品の材料価格も軒並み上がっています。さらに原油価格の高騰が重なりパンを輸送するための費用も上がり続けています。こうした状況を受け店では2022年1月、商品の値上げに踏み切りました。

(地元の人は)
「よく学食でこれを食べていた。値上げは仕方がない。ここの(パン)は特別だから買う」

(トングウ 吉田宣弘社長)
「毎週のように問屋から来る値上がりの案内を見て『またか、またか』と。材料の値段が増えているので値上げも焼け石に水。更に今後は今以上に厳しい状況が続くと思うが、パンはやはり手軽な食べ物なのでできる限り現状の値段を維持し続けていきたい」

値上げラッシュの波は地元で愛され続けるソウルフードにも影を落としています。