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岡山放送

2026.10.23

「労働」と「健康」はセット…福利厚生として働く人の健康ケアを支える女性【Re:change 岡山】

 

身近な社会課題の解決を目指すRe:changeです。人手不足が深刻化する中、企業が従業員の健康を守り生産性向上を目指す、「健康経営」への関心が高まっています。福利厚生として働く人の健康ケアを支える岡山市のセラピストの女性を取材しました。

◆セラピストとして活動する田中美来さん(30)岡山県内企業で従業員の体のケアと「心も…」

ダンボールを加工する工場の一角。岡山市でセラピストとして活動する田中美来さん(30)です。2024年から県内の企業を訪れ、従業員の体のケアを行っています。

【機器説明】
「体全体を覆っている筋膜を吸引する。スポーツ業界でも使われている機器」

田中さんは、幼い時の事故で左半身にまひが残っています。

(田中美来さん)
「体のケアだけでなく心も・・・」

機器説明をする田中美来さん

◆ケアは「従業員の業務時間内」心のケアにもつなげようと会話を心掛ける

この日、田中さんが訪れたのは津山市のサトミ紙工。ダンボールをはじめ紙のパッケージを製造販売していて、10代から80代まで約40人が働いています。

ケアは、従業員の業務時間内に行われます。

「よろしくお願いします」

田中さんは月に2回訪れ、1人当たり、約20分ケアします。費用は会社が負担していて、従業員は福利厚生サービスとして無料で利用できます。

「背中は久しぶりです」
「結構バキバキ…」
「残業が続いていて…」

体のケアだけではなく、心のケアにもつなげようと会話を心掛けている田中さん。従業員の健康を支える取り組みとして定着しています。

(従業員は…)
「仕事中にケアしてもらえるのがいい。経済的にもありがたい」

(田中美来さん)
「本当に疲れている人は日中働いていて、(店舗に)来ることができない人が働いている。そこから企業に入りたいと思った」

田中さんによる施術

◆導入を決めた岡山県津山市の製造業では…

サトミ紙工では、社内に専門チームを設け従業員の健康管理に力を入れています。その中で、健康診断や運動だけではなく、体を直接ケアできる取り組みが必要だとして、導入を決めました。

(サトミ紙工 里見允二専務)
「製造業なので立ちっぱなし、座りっぱなし。無理して我慢すると結局1週間休むということがあった。自分が環境をつくる立場なのでそこにこだわった」

サトミ紙工 里見允二専務

◆頑張れば頑張った人ほど体がボロボロに…体調を崩したことを機に「働く人を支えたい」と企業を対象に

田中さんがセラピストを始めたのは4年前。生花店で働いていた時に体への負担から体調を崩し、健康の大切さを実感したことがきっかけでした。元々は個人を対象にしていましたが、働く人を支えたいと企業へのアプローチを始めました。

(田中美来さん)
「ケアを受けられる人は健康的で、仕事を引退した後も元気で楽しく暮らせる。頑張れば頑張った人ほど体がボロボロになる。ケアをしっかりできる環境を平等につくりたい」

企業へのアプローチを始めた

◆「健康ケア」をより身近に…整体院などの事業者と企業をつなげるアプリを開発

10月、田中さんは新たな取り組みを始めました。整体院などの事業者と企業をつなげるアプリの立ち上げです。企業が会員となれば、従業員は割安な価格でサービスを利用でき、健康ケアをより身近に感じてもらう狙いがあります。

(田中美来さん)
「日本人は頑張ろう精神で「まだやれる」という根性論が根付いている。「ケアを行うことはハードルが高くない」と浸透させたい」

アプリの画面

◆「健康と労働をセットにしないと、どこかでガタが来る」全国の事業者に広げたい取り組み

田中さんは現在、全国の事業者にアプリへの参加を呼びかけていて、現在は19店舗が参加。100店舗集まれば、企業へ登録の働きかけを始めることにしています。

(田中美来さん)
「健康と労働をセットにしないと、どこかでガタが来る。健康的で疲れにくい体をつくっても必ず疲れないわけではない。そこのケアに充てる意識を高めていきたい」

働く人が健康に働き続けられ、生産性の向上にもつながる。人手不足が深刻化する中、「健康経営」を後押しする新たな取り組みが広がり始めています。

田中美来さん