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2023.10.09

音楽で伝える”隔離の歴史”ハンセン病療養所内の収容所跡でコンサート【岡山・瀬戸内市】

瀬戸内市の国立ハンセン病療養所「長島愛生園」で、長年、全国の療養所の入所者と交流を続けているシンガーソングライター・沢知恵さんのコンサートが開かれました。

歌声を披露する、岡山市在住のシンガーソングライター沢知恵さん。ハンセン病療養所でのコンサート活動や入所者との交流を続けています。同じ思いを持つアーティストの山川冬樹さんと、長島愛生園で初めて共演しました。

会場となったのは入所者が長島に到着して最初の1週間を過ごした「回春寮」。全身の消毒や検査が行われた場所です。沢さんたちは入所者が子供の頃に書いた詩や短歌を朗読し、当時の療養所での暮らしに思いを馳せました。

【入所者 中尾伸治さんの詩】
十月の水は冷たくて シャボンが跳ねます光ります

【入所者 石田雅男さんの詩】
裏でお母さんが洗濯していたよ ハギの花咲いてます

(石田雅男さん)
「ここで過ごした1週間は自分のこれからの第2の人生が始まっていくんだと」
「あの時の暗い収容所が明るい歌声に響いているのはなんとも対象的、そういう意味で良かった」

(中尾伸治さん)
「その頃に戻った気持ちになった、そこで色んな思い出、つらかったことやら楽しかったこと思い出した」

(沢知恵さん)
「この場所で歌うことそのものがメッセージだと思っていた、この人(入所者)一人一人の輝きをこれから生涯かけて伝えていきたい」

回春寮でコンサートが開かれたのは初めてで、沢さんは、今後も歌を通して力強く生き抜いた入所者の言葉を多くの人に届けたいとしています。