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2023.03.02

「キャリアか子どもか…」働く女性の悩み解消へ 企業とのマッチングを県が支援【香川】

香川県の2023年度当初予算案から注目事業をお伝えします。

池田知事が重点的な取り組みに掲げた、少子化を防ぐための子育て支援。それを実現する事業として盛り込んだのが「女性の就労強化」です。少子化とどう関係するのか、取材しました。

高松市の一級建築士事務所で正社員として働く本田潤子さんです。

(NeroStyle 本田潤子さん)
「(子供は)中2、中1、小学校4年です」

一時、職を離れていましたが、3人の子供が大きくなり、2022年5月、この事務所に就職しました。しかし、それまでには紆余曲折あったと言います。

(NeroStyle 本田潤子さん)
「正社員を求める企業は午後7時までいてほしいなどの意見があって、接客業は土日も勤務と言われると子供がいる場合は難しい」

就職活動中、子育て中の女性にとっての様々なハードルが見えてきました。

一方、全国的な人手不足の中、人材の確保に苦労していたこちらの事務所。知り合いの紹介を受け本田さんを採用したところ、子育てを経て人生経験を積んだ女性の強みを感じたと言います。

(NeroStyle 黒田篤史社長)
「客への提案を柔軟に対応できるので強みだと思う。仕事をしたい意欲が強いことも強み」

企業にとっても子育てのため離職した女性の採用は、大きな意味があります。

一方、池田知事はこんな考えを持っています。

(香川県 池田豊人知事)
「女性も子育てが終わって働けるということがライフプランにあることが子育ての積極性を増す」

そして2023年度に打ち出したのが、子育てで離職した女性と企業のマッチング強化。当初予算案には企業経営者に女性の採用を啓発するシンポジウムの開催に200万円を計上しました。

しかし、労働環境の改善は出産や子育てに結びつくのでしょうか。就職活動で苦労した本田さんは次のように指摘します。

(NeroStyle 本田潤子さん)
「キャリアか子供かという選択を強いられるのはつらい。そこが緩和されるよう行政にしてもらえたら女性も選択肢が増える」

また、従業員48人のうち30人が女性という高松市の旅行会社、穴吹トラベルからはこんな声が聞かれました。阿部有香社長が中心となり子育て中の女性の積極的な採用や子育て後もキャリアアップできる仕組みを整えたところ…

(穴吹トラベル 阿部有香社長)
「女性の企画部門のエース社員は3人目の産休中で5月に復帰する。帰ってきて続けてもらえるのはありがたい。何年間か時間をかけて作ってきた企業風土。女性の先輩社員を見て自分も頑張ろうとか」

国も目玉政策として取り組んでいる少子化対策。労働環境の見直しという新たなアプローチの事業がどのような効果を上げるか、注目です。