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2022.11.25

69年間受け継がれたピアノ 西日本豪雨の被害を経て小学校に音色がよみがえる【岡山・倉敷市】

倉敷市真備町の小学校で、11月25日、ピアノの演奏会が開かれました。演奏に使われたグランドピアノは、地域で大切に受け継がれてきた特別なもの。児童たちに届けられたのは、美しい音色と地域の絆でした。

西日本豪雨から4年。被災後は一時避難所になっていた、倉敷市真備町の岡田小学校です。コロナ禍で学校行事が少なくなった児童たちに思い出を作ってもらおうと、演奏会が開かれました。

(岡田小学校・小早川祐子校長)
「岡田小学校のグランドピアノは、昭和28年、ピアノのなかった岡田小学校に ぜひピアノをという地域の人の思いで購入された」

岡田小学校のグランドピアノは、今から69年前の1953年に、地域の人たちの募金や寄付で購入されました。透かしの入った譜面台、丸い飾りのある脚も当時としては洒落ていて、特別に注文された全国に210台しかない貴重なピアノです。

長く子供たちの成長を見守ってきたピアノも老朽化し、処分しなければならなくなった時、修理して残そうと動いたのも地域の人たちでした。

(岡田小学校のピアノを愛する会・岡野照美さん)
「リニューアルするにはかなりお金がかかるかもしれないが、地域の人達に現状をお知らせして、力もらえるかな。地域の思い」

演奏会は、こうした地域の人たちの思いも伝えたいと企画されました。

【当時の写真】
・1953年 募金活動を行った/地域の人たち
・集まった募金は当時家が1軒建つほど
・2008年 修理のための募金は約49万円に
・2008年9月 修理を終えて再び岡田小学校に

(児童は)
「ピアノも地域のつながりだったのは 素晴らしい」
「ピアノを大切に守ったり 受け継いだりしたい」
「(将来)地域のみんなを喜ばせたい」
「優しいとてもいい地域だと思った」

演奏を通じて子供たちが感じた地域の絆は、確かに彼らの胸に刻まれたようです。