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LGBTQカップルの支援制度進む…瀬戸内市の導入で県内7自治体に 残された課題も【岡山】

2022.09.28

LGBTQカップルの支援制度進む…瀬戸内市の導入で県内7自治体に 残された課題も【岡山】

LGBTQ、性的少数者の人たちを取り巻く環境が今、変わりつつあります。岡山県内の自治体は、性的マイノリティのカップルを支援する『パートナーシップ宣誓制度』を続々と取り入れています。2022年10月には瀬戸内市でも制度がスタートします。

■性的マイノリティのカップルを公的に証明

『パートナーシップ宣誓制度』は、現行の法制度で婚姻が認められない性的マイノリティのカップルが、お互いを人生のパートナーとし、継続的に共同生活を行う関係であることを宣誓し、市がその宣誓を公的に証明するものです。岡山県内では、岡山市、倉敷市、総社市、笠岡市、備前市、真庭市がすでに設けていて、瀬戸内市を含め7自治体となります。
もも1
制度に法的な効力はありませんが、カードが交付されることで2人の間柄が確認でき、市立の病院での病状説明や入院・手術の同意について家族同様に扱われるほか、市営住宅への同居など行政サービスの手続きがスムーズに進むメリットがあります。

当事者にとってどんなメリットがあるのか?LGBTQの当事者活動に取り組む「ももにじ岡山」共同代表の市川明美さんに聞きました。
もも2
(市川明美さん)
「パートナーシップ制度は、結婚に準ずる制度といわれていて、自治体が『2人は同性のパートナー』と認める制度です。法的な効力はありませんが、企業によっては、家族として認められて、携帯電話の家族割が使えたり、病院でどちらかが入院した場合、手続きができるようになったり。市営住宅の入居が可能になったり・・・とても利用する価値がある制度だと思います。(暮らしやすさは)大分違いますね」
もも3
「(実際に利用しているカップルは)2022年3月31日時点で、岡山市14組、倉敷市8組、総社市3組、真庭市2組。今はもっと増えているかもしれません」

■LGBTQの家族も支援

さらに、パートナーシップ宣誓制度から一歩進んだ『ファミリーシップ制度』も、2021年12月に総社市で始まりました。
もも4
『ファミリーシップ制度』は、パートナーシップ宣誓者の子どもや親などを、「家族としての思いを持つ関係である」と市が認める制度です。総社市の開始式典には市川さんも出席しました。
もも5
(市川明美さん)
「パートナーシップ制度は“当事者2人のパートナーシップ”ですが、『ファミリーシップ制度』は、どちらかに子どもがいた場合や、介護する両親がいた場合にも踏み込んでいて、(パートナーが相手の家族に対し)同様の権利を持っている事を認めてもらうという制度です」

『ファミリーシップ制度』は2022年4月に笠岡市でも始まり、瀬戸内市ではパートナーシップ宣誓制度とともに2022年10月からスタートします。

■残された課題は

LGBTQのカップルが暮らしやすいよう、大きく変わりつつある制度。一方、カップルによって色々な事情、家庭の形があり、課題も残されています。

(市川明美さん)
「パートナーシップ制度は、法的に効力があるものではありません。例えば相続や、自分が亡くなった時の遺族年金は相手に残すことができません。出来れば同性間の婚姻制度、または事実婚でも婚姻制度みたいなものを認めていただきたいと思っています。2022年3月時点で、全国211の自治体にパートナーシップ制度が出来ていますが、もう一歩踏み込んで、婚姻制度を同性間にも認めてもらいたいと思っています」