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2022.02.07

憧れの舞台に…コロナ禍 “新人隊員”奮闘記 岡山県警音楽隊 いつか会える日まで【岡山】

岡山県警音楽隊の新人隊員として1月、憧れの舞台に立った女性警察官がいます。

自分が感じた感動を直接届けたい…。新型コロナに翻弄されながらも活動を続ける女性警察官を取材しました。
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1月29日に行われた岡山県警音楽隊のふれあいコンサート。憧れの舞台でクラリネットを演奏する1人の女性、有松沙姫さん22歳です。
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「1,2,3,4…」

コンサートに向けた練習が本格的に始まったのは2021年8月。有松さんたち音楽隊のメンバーは、観客を迎える準備をしていました。

警察官や警察職員ら29人で構成されている県警音楽隊。
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1948年から、音楽を通じて犯罪防止などを呼びかけようと、県内各地で演奏会を行っています。

その集大成として毎年行われているのが、ふれあいコンサートです。
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入隊2年目の有松さん、音楽隊との出会いは高校生の時でした。
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(有松沙姫さん)
「音楽隊の事を初めて知って演奏を聴いて、めちゃくちゃ感動した。」
県警音楽隊07
「特に「おおぞらをとぶ」という曲が私自身も大好きで、ずっと会場に響く曲が忘れられなかった」
県警音楽隊08
警察官2年目で、音楽隊への配属が決まりましたが、
県警音楽隊09
それから間もなく新型コロナウイルスの影響が広がりました。

音楽隊の活動は以前の半分以下に減り、有松さんが憧れていたふれあいコンサートも2021年、初めて無観客での開催となりました。
県警音楽隊11-0
県警音楽隊12
(有松沙姫さん)
「私にとって1つの憧れというか、目標だったので、やっぱり寂しいと思ったし、生の演奏を聴いてほしかったと、去年は思った。」

今年こそは観客を前に直接音色を届けたい…。
県警音楽隊13
音楽隊に所属する警察官の中で1番後輩の有松さんは、先輩隊員の指導を受けながら練習に励みました。
 
(パートリーダー 吉崎仁香さん)
「まっすぐ音楽をするところが、すごくいいところ。吹けないと閉じこもるのではなく、とりあえず吹いて頑張ってみる。」
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そんな有松さんですが、本職は警察官、音楽隊の活動だけでなく、交番勤務も行っています。
県警音楽隊16
「自転車は降りて下さい。危ないので。」

有松さんが警察官を目指したのは、幼い頃のある経験がきっかけでした。

(有松沙姫さん)
「小学校低学年の頃に、ちょっとした性犯罪に巻き込まれて、その時に近くの交番のお巡りさんが、すごく親切にして下さったことを 覚えていて、その頃から警察に対する憧れは 心のどこかでずっとあった。」
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警察官への憧れ、そして、音楽隊への憧れが有松さんの原動力になっています。
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コンサートに向けて課題がたくさん残る有松さん。交番勤務が終わっても警察寮の食堂で1人練習に励みます。
 
(有松沙姫さん)
「周りの音楽隊員には音楽歴が40年ある人もいる。まだ全然レベルに追いつけていない。」
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生活のすべてを捧げてコンサートに挑む有松さん。すべては自分たちの演奏を楽しみにしてくれているお客さんのためでした。
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しかし…

(有松さんの電話)
「新型コロナウイルスの感染防止で、無観客で開催することになりました…。」

年明けからのオミクロン株による感染拡大…。2年連続の無観客開催が決まったのは、本番まで2週間を切ったタイミングでした。
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(有松沙姫さん)
「またかと残念な気持ちでいっぱい。見に来たかった人たちの分まで背負って、本番まで練習していきたい。」
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そして迎えた本番。
 
(演奏)♪おおぞらをとぶ
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無観客とはなりましたが、きっと届く観客の姿を思い描きながら最後まで演奏しました。
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(有松沙姫さん)
「おつかれさまでした」
 
「お客さんはいなかったが、私たちができることを、お客さんがいる状態と変わらず、一生懸命やった。楽しい演奏会をすることができた。」
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(有松沙姫さん)
「いつかお会いできる日を楽しみに日々頑張っているので、楽しみにして下さっている方も期待して待っていてほしい。」

きょうも練習に励む岡山県警音楽隊の新人隊員有松沙姫さん。会場を埋めつくす観客に直接音色を届けるその日を夢見て…。県警音楽隊31