OHK 8Ch

  • LINE友だち追加
東日本大震災10年を前に 消防が救助訓練…被災地の復興と今後の災害に備え【岡山・岡山市】

2021.03.10

東日本大震災10年を前に 消防が救助訓練…被災地の復興と今後の災害に備え【岡山・岡山市】

東日本大震災から3月11日で10年を迎えるのを前に、岡山市で大地震を想定した訓練が行われました。指揮をとるのは10年前に被災地で活動した特別救助隊の隊長です。

(訓練)
「本日の訓練は被災地の復興を願うとともに今後の災害に備えるために実施する。要救助者を絶対に助ける強い意志を持って訓練に取り組んでほしい。」

訓練は、和歌山県沖を震源に震度6強の地震が市内で発生したという想定で行われました。

指揮をとる内藤武文隊長は、東日本大震災の被災地で当時、凄惨な現場を目の当たりにしました。

(岡山市西消防署特別救助隊 内藤武文隊長)
「僕が行ったのはこの現場です。トマトハウスの中で作業していた人が行方不明になったということで、捜索に行った。」

内藤隊長らを含む岡山県の第2次隊が派遣されたのは、震災から5日後…厳しい現実を突きつけられました。

(岡山市西消防署特別救助隊 内藤武文隊長)
「見つかった方がいいのか見つからない方がいいのか複雑。中にいるなら少しでも早く見つけてあげたい気持ちはあるがそれはもう亡くなっているという事。」

内藤隊長が率いる隊は、20代が半数以上を占め、震災当時は中学生の隊員もいました。いざという時には1人でも多くの人を救いたい…内藤隊長の指導にも熱が入ります。

(隊長の指導)

(2年目・藤森誠章さん)
「隊長はよく人の行動を見ている人。最初言われた注意点をできていない部分があったところをすぐ注意してくれた。自分もそういった現場に行った時には気を付けて行動していきたい。」

10日の訓練は、倒壊した建物の瓦礫から要救助者を助けるというものです。

30年以内に70%から80%の確率で発生すると予想される南海トラフ地震では、こうした建物倒壊による被害が各地で相次ぐとみられています。

(岡山市西消防署特別救助隊 内藤武文隊長)
「いつかはきっと大きな災害に遭遇することもあると思う。その時に自分たちが活動で困らないように備えること、市民に経験を伝えていける隊になればいい。」

あの日の経験が未来の命を救う糧になることを信じ、次の世代へと思いをつなぎます。