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2023.10.25

週末はほぼ満席…岡山市中心部に“ベトナム人の店”が続々誕生 その背景は?【急上昇ニュース 岡山】

ネットで関心を集めた話題などを詳しく解説する「急上昇ニュース」。岡山市中心部にベトナム人が経営する店が増えています。その理由を取材しました。担当は堀さんです。

10月21日土曜日の夜、岡山市の岡山駅前商店街にあるベトナムレストラン。店内はすごい人です。
ベトナム1
平日の客は日本人が半分くらいですが、週末はほとんどがベトナム人です。

「モッ、ハイ、バー、ヨ―(1、2、3、乾杯!)」

1階だけでなく、2階もほぼ満席でした。
ベトナム2
メニューは「カエルと豆腐とグリーンバナナの炒めもの」など、日本ではあまり見かけないものばかり。ここが岡山だということをしばし忘れてしまいます。

実はここ数年、岡山市中心部にこうしたベトナム料理のレストランや、ベトナムの食材を扱う店が一気に増えています。
ベトナム3
番組で調べたところ、岡山市中心部にレストランと食材店が、あわせて10店ありました。10月21日には新たにレストランが1つオープンしています。

こうした店のほとんどは、ベトナム人自身が経営しています。一体どんな背景があるのか?出店ラッシュの先駆けとなった店で取材しました。

冒頭で紹介した「ハノイレストラン」を経営しているのは、ベトナム北部、フンイエン出身のグエンティトゥチャンさん(31)です。
ベトナム4
チャンさんは、母国の料理コンテストで最優秀を受賞した腕前の持ち主。ベトナム各地方の味を楽しんでもらおうと、レストランのメニューは200種類以上に上ります。

(グエンティトゥチャンさん)
「お客さんはほとんどベトナム人。日本人に合わせた店ではなく、本当のベトナム料理を出したい」

チャンさんが経営しているのは、レストランだけではありません。数軒となりにはベトナムのサンドイッチ、バインミーの店。
ベトナム5
さらにその数軒となりには、食材の店もあります。当然、売っているのは、日本でほとんど見かけない、ベトナム料理で使う食材ばかりです。
ベトナム6
(グエンティトゥチャンさん)
「これはライギョです。焼き魚がおいしい。身は柔らかいです」
「これはカエルです。(カエル?)鶏肉に似ている。焼いてもおいしい。鍋にも入れる」

19歳の時、福祉について学ぶため来日したチャンさん。その目標を変更し、コンビニや牛丼店のアルバイトで貯めたお金と親の資金援助、あわせて500万円を元手に、5年前、食材店をオープンしました。理由は…

(グエンティトゥチャンさん)
「岡山にはベトナム人が多いのに、店が何も無かったので、作ろうと思った」

岡山県内に住むベトナム人の数は2022年に1万人を超え、過去最多となりました。技能実習生で単身来日している人が多く、仲間を求めて、津山や倉敷からも客が集まるそうです。こうした背景もあり、店の売上は毎年2割から3割アップしています。

チャンさんの店では現在、社員とアルバイト、あわせて24人のベトナム人が働いていて、雇用にも貢献しています。

岡山県に住む外国人で最も多いのがベトナム人です。
ベトナム7
岡山県内の在留外国人は3万2000人。20年でほぼ倍増しましたが、最も多いベトナム人はこのうち32%で、約1万人です。ここ5年ほどで中国を逆転しました。多くの人が、技能実習生として日本に来ています。

人出不足が深刻化する中、外国人労働者のあり方が度々議論されますが、ベトナム人に多い技能実習生などは、制度の問題点も指摘されています。次回は、そうした視点からこの現象を探っていきます。

以上、急上昇ニュースでした。