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2024.02.07

岡山城が「全国ランキング5位」に 人気の秘密を探ってみると…【急上昇ニュース 岡山】

今関心の高い話題を詳しく解説する「急上昇ニュース」です。岡山城の来場者が2023年、過去最多を記録しました。その理由を探ります。担当は堀さんです。

(報告 堀靖英)
今、岡山城の人気がどれだけ高まっているか?こんなデータがあります。2023年に発表された「お城ファンが実際に訪れた日本のお城ランキング」で、岡山城は全国3000の城の中で5位になりました。姫路城・犬山城・松本城といった国宝に次ぐ順位です。前回調査(2019年)の24位からも大きく上昇しています。岡山城で今、何が起きているのでしょうか?

岡山城に足を運ぶ人は実際どのくらい増えているのか?学芸員の原田さんに聞きました。

(岡山城 原田莉沙子学芸員)
「昨年は過去最多の45万人を突破することができた。リニューアルオープンしたおかげだと思うが、その中でも県民の方がまた岡山城に遊びに来ようという動きがあったのかなと思う」

岡山城はおととし11月にリニューアルオープンしました。その効果で、地元の人が久しぶりに来場しているといいます。

(地元の人は…)
「(よく来るんですか?)いえ久しぶりです」
「前と違うね。中の材料が新しくなってる」

地元の人だけではありません。お城をテーマとしたアプリ、「ニッポン城めぐり」が2023年、GPSデータで実際に城を訪れた人を調べたところ、岡山城が、全国3000の城の中で5位に入りました。

岡山城の何が人を引き付けるのか?県外からの来場者に聞いてみると…

(愛媛からの来場者は…)
「(岡山城どうでした?)現代的やね。近代的やし、色々工夫されている」
「きれい」

話を聞いていると…

「(機械が鳴る音)ピピピッ、ピピピッ」

フードコートでよく聞く音がして…

「(これ何ですか?)ぜんざいにしたの。ぶっ通しで歩いているからかなりきつくなって一旦休憩しましょうと」

天守閣1階の烏城カフェでは、岡山の食材をいかした食事やスイーツが楽しめます。”お城らしくなさ”はこんな所にも。

(岡山城 原田莉沙子学芸員)
「(自動ドアがあるんですね!)貴重な資料を展示しているエリアですので」

貴重な資料を展示するエリアは、博物館のようです。

リニューアルを監修したのは、岡山市出身の歴史家、磯田道史さん。歴史好きから子供まで楽しめる岡山城をテーマに、わかりやすさを徹底しています。例えば歴代城主を紹介するコーナーでは、初代・宇喜多を緑、二代目・小早川を赤、三代目・池田を紫と色分けしています。

日本刀や火縄銃を手に取ったり、籠に乗ったり、子供たちがよろこぶ体験も充実しています。いわゆる名所旧跡ではなく、家族で楽しめるテーマパークのような空間になっています。

1597年、岡山と呼ばれる小高い丘の上に宇喜多秀家が築いた岡山城。天守閣は戦争で焼け落ちました。現在の姿は、鉄筋コンクリートで再建された、いわば城の形のビルです。それでも築城当時の名残を感じさせる場所は随所に残っています。

(岡山城 原田莉沙子学芸員)
「岡山と呼ばれる丘があって、そこにお城が建てられたので岡山城となっているんですが、これがまさに岡山の丘の一部です」

石垣の下に、飛び出した岩。岡山城が築かれた「岡山」の丘が、むき出しになっています。

(岡山城 原田莉沙子学芸員)
「みなさん見落としがちなんですけど、実は街の由来の一つなんですよ」

この丘の上に建てられた岡山城は、変わった天守閣の形をしています。

(岡山城 原田莉沙子学芸員)
「全国的にも珍しい不等辺五角形のお城で、岡山の丘の地形を生かして作られたので、こういった不思議な形になっていると言われています」

今回のリニューアルにあわせて作られたロゴにも、天守閣の不思議な形がデザインされています。

様々な角度から楽しめる岡山城。リニューアル効果を一過性のものに終わらせないために子供向けのイベントを企画したり、定期的に展示を入れ替えていくということです。

来場者から多く聞かれた声は「きれい」でした。一方で歴史ファンを喜ばせる展示も充実しています。過去最多の来場者になった理由は、「ライト層もマニアも楽しめる岡山城になったから」ではないかと感じました。

以上、急上昇ニュースでした。