OHK 8Ch

  • LINE友だち追加

2024.01.10

有名アーティストのライブも…中四国最大級1万人収容の新アリーナに高まる期待【急上昇ニュース香川】

関心の高い話題を詳しく解説する「急上昇ニュース」です。中四国最大級1万人収容のアリーナが2024年秋、高松市に完成します。成功のカギを考えます。担当は堀さんです。

新しいアリーナは、サンポート高松の一角に2024年11月に完成し、25年3月のオープンが予定されています。周辺には新しい施設が続々と作られていて、人の流れを劇的に変える可能性を秘めています。

瀬戸内海を望むサンポート高松に着々と建設が進む、新しい香川県立アリーナ。総事業費は186億円で、1万人を収容できる中四国最大級のアリーナです。

(報告 堀靖英)
「あちらが新しいアリーナです。ドーム型の屋根が張られて完成形がイメージ出来るようになりました。サンポート高松の中でも存在感を放っています」

新アリーナは、老朽化した旧香川県立体育館に代わる施設です。1万人収容のメインアリーナのほか、サブアリーナと武道施設兼多目的ルームを備えています。スポーツだけでなく、コンサートなど幅広い活用が期待されます。

(香川県教委・新県立体育館整備推進総室 海津洋室長)
「中四国最大級のアリーナということで、これまで地方都市では見ることの出来なかったトップアーティストのコンサートや興行スポーツを指定管理者と連携しながら誘致を進めていきたい」

都市解析が専門の香川大学創造工学部講師、鈴木達也さんは新しいアリーナの集客力について、こう話します。

(香川大学創造工学部 鈴木達也講師)
「レクザムホールで去年(2023年)、私行ったんですけどミスターチルドレンのライブがあって、その時は四国全体からも来ていたし、岡山あたりからも来ていたので、そういった辺りからは来ると思う」

新アリーナができるサンポート高松では今、新しい施設が続々と建設されています。2024年3月には新しい高松駅ビル、タカマツオルネが開業。さらに2025年春には徳島文理大学のキャンパスが移転。2027年には、一泊10万円の高級ホテル、マンダリンオリエンタル瀬戸内も完成し、街の姿は一気に変わりそうです。しかし、都市解析が専門の鈴木さんは課題も指摘します。

(香川大学創造工学部 鈴木達也講師)
「現状の施設だと、実はそれほどそれぞれの施設が関わりあって使われることが少ないと思う」

元々サンポートには行政機関が多くあり、ここに大学や高級ホテル、アリーナなど利用者の全く違う施設が出来ても、人々が行き交う回遊が生まれないといいます。

(香川大学創造工学部 鈴木達也講師)
「ホテルはホテルで利用者しか絶対に入れない敷地だと、その目的の人しか集まらない。垣根のない建物や敷地の使い方が重要。駅から出ていく時に、駅前の広場を通るのか、オルネを通って行くのかでも違う」

回遊の課題について、香川県の池田知事は年頭の記者会見でこう語りました。

(香川県 池田豊人知事)
「アリーナが順調に多くの方に利用して喜んで利用していただけるよう、周辺整備を進めたい」

県は、高松駅とアリーナの導線に屋根をつけることを計画中。また、一部の道路を歩行者天国にするプロムナード化の社会実験も行いました。

高松港を埋め立て、サンポート高松が作られてから約四半世紀。ホテルやシンボルタワーなどが整備されましたが、期待されたにぎわいづくりには至っていません。

(香川大学創造工学部 鈴木達也講師)
「Yahoo!が公開している混雑レーダーで、青い所が混雑している所。にぎわっているのは商店街の方。一方でサンポート側は、沢山の店舗がある訳でないので人がまばら。濃い部分とこちらをどう連携するかサンポートの再開発に必要とされる」

現状、高松市のにぎわいは商店街のある高松駅の南に集中しています。アリーナを訪れた県外の人たちが歩きたくなる街を作れるか?2024年は、アリーナだけでなく高松の街づくり全体を考える1年にもなります。

新アリーナの完成は千載一遇のチャンスともいえます。そのチャンスを生かすためのポイントは、サンポート内の回遊性を高めること、それから現在にぎわっている駅の南側、商店街の方に足を運びやすくする事です。思い切った街づくりの提案が必要となっています。

以上、急上昇ニュースでした。