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2023.11.17

「助けて」と言える社会へ…DV被害者の“最後の砦” 保護シェルターは今【岡山・津山市】

コロナ禍の外出自粛などで相談件数が増えたDV。新型コロナ5類移行後の状況はどうなのか。岡山県の内外で保護シェルターを運営する津山市の認定NPO法人を取材しました。

(DV被害者)
「夫からの身体的な暴力と精神的な暴力とで逃げてきた。日常的に暴力を受けていたのであざができたり」

DV被害者の女性が保護されたのは、津山市の認定NPO法人、「オリーブの家」が運営するシェルター。現在、9つの部屋のうち7部屋が稼働していて、被害者が自立できるまでのサポートが行われています。

(オリーブの家 山本礼知理事長)
「(コロナが)5類に移行してすぐの時は件数や相談も減った。ただ徐々に件数が戻ってきて、今も空きが出ることは少ない」

内閣府によりますと、全国のDVの相談件数は、コロナ禍に入った2020年度に過去最多となり、以来、高い水準で推移しています。オリーブの家は、県の内外で運営するシェルターで合わせて年間約100人を受け入れていて、その数も増えています。

心理カウンセラーとして女性たちの悩みを聞いてきた山本康世さんが、DV被害者を保護する場所が必要だと2017年にシェルターを作りました。

(オリーブの家 山本康世特別顧問)
「私にしか頼れないという人がすごく多かった、行政では漏れ出てしまっている親子や女性が多くいて、そうすると私が最後のワンストップの最後のとりでだと思ったので、何とか助けてあげたい」

現在は、娘の礼知さんが代表を引き継ぎ、若いスタッフを増やしたりSNSでの発信を充実させたりして若い世代のSOSも拾えるようになりました。2023年7月にはその実績が認められ、社会貢献者表彰を受けました。

(オリーブの家 山本礼知理事長)
「再発をしないように、またDVにそもそもあわないようにするためのマニュアルを作成している。少しでもそうした人(被害者)を減らしたいので、予防にも力を入れていきたい」

これまでの経験で培ったノウハウを生かし、「どんな言動が違法なのか」などをまとめたマニュアル作りを進めています。国や県などが行うDVの被害者支援に役立てられることになっています。

シェルターで保護されているDV被害者の女性は今、幼い子供と新しい生活を始める準備をしています。

(DV被害者)
「助けて、って言えて良かった」
「幸せに暮らせる、落ち着いて暮らせるのが一番良かった」

(オリーブの家 山本礼知理事長)
「もしかして違うかも?と思っても、これで相談していいのかな?と思ってもまず言ってほしい。今満室なので無理です、ということは絶対に言わない。どこかしらに必ずお繋ぎして、ワンストップできるように支援するので、まずは一言言ってみてください」

「助けて」と言える社会へ1歩ずつ…。オリーブの家は、午前10時から午後5時まで、毎日相談を受け付けています。