長年、四国を中心に路線バスや高速バスの車内アナウンスを担当してきた高松市の女性が高齢のため２０２１年に引退しました。その後も一部のバス会社で女性の放送を聞くことができましたが、２０２３年９月末に、最後まで採用されていた徳島県のバス会社の車内放送が差し替えられ、定期路線から姿を消しました。

高松市の中川美和子さん７９歳。３０代から４５年間担当したバスの車内アナウンスを２０２１年に高齢のため引退しました。中川さんの声は４５年間、四国にある２０以上のバス会社で採用され、多くの乗客に親しまれてきました。

４５年間、中川さんの声の収録を行い四国で唯一、バス事業者向けの音声を制作している高松市の会社、東洋通信特機などによりますと、中川さんの声を最後まで使用していた徳島県の阿南バスが２０２３年９月に徳島バスに吸収され、路線バスのルートも変わったため１０月から新しい放送になり、中川さんの放送は終了したということです。

４７年間、各地でバスの利用者に親しまれてきた車内アナウンス。中川さんはＯＨＫの取材に対し、「一抹の寂しさはあるが、無事に終わってホッとした。テレビやＹｏｕＴｕｂｅなどを見た乗客の皆さんから温かい言葉を頂き、続けてきてよかったと感謝の気持ちでいっぱい。皆さんのコメントを見るとそれぞれの思い出と重なっているのが分かり、私の声は１つだけど、色んな受け止め方をしてくれたのがうれしい。皆さんに長年聞いていただいたことは、私の財産です。」と話しています。

東洋通信特機では中川さんの引退後、２人の女性がバスのアナウンスを継いでいるということです。

※映像は２０２１年１０月撮影