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「要人警護~G7広島サミットの舞台裏」新コーナー

2023.05.24

「要人警護~G7広島サミットの舞台裏」新コーナー

ニュースやネットで話題のキーワードが、私たちのくらしにどう関わっているか、わかりやすくお伝えする「急上昇ニュース」のコーナーです。

第1回のテーマは、「要人警護~G7広島サミットの舞台裏」です。

ウクライナのゼレンスキー大統領が電撃訪問した広島には、世界各国の要人が集まりました。その警護などに、全国から集められた警察最大約2万4000人、消防最大約1800人があたったといいます。

岡山・香川からも派遣されました。警察の参加人数は公表されていませんが、消防は、岡山市、倉敷市、津山圏域から総勢80人が派遣されました。今回、岡山市消防の隊員に、帰ってきた直後の5月22日に話を聞くことができました。

現場で中隊長などの中心的な役割を果たした、笹山貴弘さん・三好達也さん・中村望さんの3人です。重要な任務を終えたばかりで、表情にはまだ緊張感が感じられました。

要人警護には、事件を未然に防ぐ予防と万が一起きた時の警防があります。まず、予防を担当した笹山さんに話を聞きました。

予防の仕事は、要人が訪れる場所の危険を事前に排除することです。例えば、「30分後に○○で2国間協議が行われる」という情報が入ります。すると笹山さんたちは、急きょその場に行き、いざという時の避難路を確認します。避難路に物があれば撤去を依頼します。

今回、外国要人の家族も広島を訪れていたため、こんなこともありました。要人の奥様とお子さんから「買い物に行きたい」と、リクエストがありました。予防班はすぐにデパートの安全確認に行きました。出来れば、何階に行くかまで聞くそうです。

一方、警防担当の2人にも話を聞きました。三好さん、中村さんたちは、サミット会場に近い体育館などで待機。万が一、テロが起きた時に備え、他の消防局と合同で、訓練を繰り返していました。

このように、化学兵器テロに備えた防護服を着用して、非常に物々しい雰囲気の中、有事に備えていたそうです。

岡山市消防は今回、倉敷、津山の他、広島市や北九州市の消防と隊を組みました。その中で、進んだ取り組みの情報交換もできたそうです。

例えば「災害対応ピクトグラム」は、岡山市消防局が川崎医療福祉大学と共同開発したものですが、外国人の避難誘導などで効果を発揮すると関心を集めたそうです。逆に、他の消防局の先進的な取り組みも学べたそうです。

3人は、「今回の経験で自信がつき、新たな発見もあった。他の隊員にもしっかり伝えたいし、2024年春に岡山市である全国植樹祭などに生かしていきたい」と話していました。

今回のまとめです。G7広島サミットでの要人警護の経験は、岡山・香川の今後の危機管理にも役立ちそうです。