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2023.03.29

「春高は終わっていない」コロナ検査で大会欠場の就実バレー部 “もう一つの戦い“で完全燃焼へ【岡山】

2023年1月の春高バレーで新型コロナの抗原検査で欠場となった岡山市の就実高校が3月12日、神戸市で3年生を交えたラストゲームを行いました。「もう一つの春高」に密着しました。

3月12日午前8時半、就実高校女子バレーボール部のメンバーが神戸市の会場に入りました。3年生と共に臨む試合は、2カ月ぶりです。

大会3連覇のかかった23年1月の春の高校バレーでは、新型コロナの抗原検査の結果でまさかの欠場…。3年生は、最後の試合をすることなく引退。キャプテンの岩本は、当時をこう振り返ります。

(就実高3年 1 岩本沙希主将)
「監督に棄権と伝えられた時は何も考えることができなかったし、頭が真っ白になって、何がおこったかわからない状況だった」

「チームにとって春高は?」

(就実高校 西畑美希監督)
「春高は終わっていない。私たち東京体育館に入れなかったし、これからこのメンバーで春高を迎えそうな気分」

そんな中、V1女子の久光スプリングスが大阪の金蘭会とのエキシビションマッチを提案。コートも選手憧れのVリーグ仕様。チームのネームプレートには就実OGからの熱い言葉もつづられていました。

就実にとって最高の舞台が整いました。幻と消えた「春高」、「もう一つの戦い」が幕を開けます。

(西畑美希監督)
「たくさん苦労して、たくさん叱られてもきたし、その分ものすごいひたむきに努力してきた3年生だと思っている。その努力が、最後に良い形で(試合に)出たらいい」

(岩本沙希主将)
「先輩方が築いてきた伝統、就実の伝統が(ユニホームには)あるので、それを着るだけでも鳥肌が立つし、最後にもう一度着させてもらえるのがうれしい」

就実は、岩本など3年生4人が1年生エース2人を支える布陣でスタートしますが、硬さもあり、第1セットを失います。

すぐに岩本が、メンバーに声を掛けます。

(岩本沙希主将)
「やることはやってきたから、しっかり(自分を)信じて全部出し切ろうという言葉を常にチームに声をかけて楽しもうと思った」

第2セットになると光森のフェイント。さらに、7番リベロ、田中のスパーレシーブから1年生エース福村。序盤で5連続ポイントを奪うも、相手は、世代別日本代表が顔をそろえる強豪、金蘭会。結局、善戦及ばずセットカウント2対0で敗れました。

エキシビションとして行われた第3セットには勝利した就実。全員で最後までバレーボールを楽しみました。

(岩本沙希主将)
「春高では悔しい結果で終わってしまったが、このような大会をさせてもらい、みんなも次に向けて進むことができています。これから後輩も就実で頑張るので、引き続きたくさんの応援をお願いします。きょうはありがとうございました」

試合後、サプライズでV1女子の久光と埼玉上尾に所属する就実OGとの交流も行われました。

(久光スプリングス 22 深澤めぐみ選手)
「こうやって、やり切って終わることができたのなら良かったと思っていて、3年生は次のステージでも自分の目標をしっかり持って頑張ってほしい」

(久光スプリングス 6 石井優希選手)
「高校3年間の自分たちのプレーに胸を張って、次のステージに進んでもらいたい」

(岩本沙希主将)
「いつまでも下を向いている暇はないし、次に向けてつながる大事な試合だったと思うので、この経験を絶対に無駄にせずに次に向けて頑張りたいと思う」

3年生は、大学など次のステージに。そして1、2年生はもう一度、日本一を目指す戦いが始まります。

苦しみ、泣いた2カ月。しかし、この経験は確実に選手たちの心を強くしました。

(西畑美希監督)
「今後の人生はもっと大変なことがいっぱいあると思うから、ここで学んだことをいかして必ず(経験が)生きる日が来ると思う。精一杯頑張ってほしいと思う。また大学の試合見に行ったり、みんなの活躍を見たいと思う。3年間ありがとう」

3月12日…。就実高校女子バレーボール部にとって一つの区切りを迎えました。

(3年生)「ありがとう!」