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2023.01.17

「女性だけが逃げるのではなく…」DV被害者支援の新たな形 ネットワーク構築へ【岡山・津山市】

DV被害者の保護シェルターを運営する津山市の認定NPO法人が、自治体や専門家などと連携した支援体制を構築するための新たな取り組みを始めました。

(登壇者)
「私自身が夫からの暴力を受けていただけではなく、子供が夫から受ける虐待もあり、毎日が暴力の中の生活。子供をどう守っていくか、ということだけを考える日々」

自身の体験から、女性の心と体のケアを行う専門家。データや分析結果を発表する、大学の講師。職場の現状を説明する労働組合の担当者。様々な立場の人たちが、「DV被害者の支援」をテーマに話をしました。

このイベントは、DV被害者の保護シェルターを運営する津山市の認定NPO法人「オリーブの家」が企画しました。

(オリーブの家・山本康世理事長)
「新しくDV被害者をネットワークで支えていこうと、全国的にネットワークづくりを推奨している。それに該当する民間団体がいなかったので私たちが今回初めて申請した」

岡山県内の自治体や専門家などの話を聞く機会を設け、連携して支援が行えるようネットワークを構築する国の事業です。

オリーブの家は、約5年に渡りDV被害者の保護活動を続けています。県の内外にある9部屋のシェルターで、2021年度は、98人の女性や親子を受け入れました。最近は、コロナ禍の貧困や虐待、ヤングケアラーの相談も増えました。

(オリーブの家・山本康世理事長)
「1対1で保護していくだけでなく、全国の被害者に全部声が届かないので、その人たちのために私たちのデータを基にしたマニュアルを作りたい」

新たな取り組みを通して専門家の話を聞きながら、各分野の知識を深め、マニュアルの完成を目指しています。約3年をかけてオリーブの家から国や自治体に対し、支援の在り方を提案していきたいと考えています。

(オリーブの家・山本康世理事長)
「女性だけが逃げるのではなく、語ってもらうことも大事。それを国・社会・一般の人にも知ってもらうことが大事」

岡山の小さなNPOが始めた取り組み、DV被害者への新たな支援の形が進んでいます。