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2022.09.23

聴覚障害者の「救いの場」に…岡山大学病院が支援センター開設 社会的自立をサポート【岡山】

岡山市の岡山大学病院に2022年9月、聴覚障害者の支援を専門に行う施設が開設されました。最先端の医療に加え、聴覚障害者と社会をつなぐ役割を担います。

(竹下美保記者)
「こちらが聴覚支援センターです。耳鼻咽喉科などが連携して、教育や就労をサポートします」

岡山大学は1960年、全国に先駆けて公立の難聴学級を創設するなど、聴覚障害のある子供たちの教育や支援に取り組んできました。最近では耳鼻咽喉科の医師が、通院する子供たちの意見をまとめて、学校で必要な配慮や教員へのアドバイスを盛り込んだ冊子を作り配布するなど、コミュニケーションや社会から孤立しないよう働きかけてきました。こうした取り組みを、さらに広げていくのです。

(聴覚支援センター・前田嘉信センター長)
「目指すものたくさんある。障害を持った人、聴覚が弱い人が、社会にしっかり自立して入っていける、センターがサポートしなければれば」

耳鼻咽喉科の他に、大学病院の小児科や産婦人科、岡山大学の教育学部や、災害医療を担当する部署などが関わり、様々な相談に対し、適切な解決方法を導きだしていきます。

(聴覚支援センター・安藤瑞生副センター長)
「どこに行ったらいいか分からない人を、ここに行ったらうまくいくと教えてあげるのが、大学・核となる施設の役割」

実務を担当するのは冊子をまとめた片岡祐子医師です。聴覚障害について理解を深めてもらおうと学校や地域での講演活動も続けています。また、火事や水害などの災害から聴覚障害者の命を守るため、サイレンなどの音を識別し、聴覚障害者に直接情報を届けるシステムの開発も進めています。3年後に完成を目指すこのPJは、聴覚支援センターの大きな目標の1つとなっています。

(聴覚支援センター・片岡祐子医師)
「困っている聴覚障害者の救いになる場所でありたい。聴覚障害者が社会に結びつく場になれば」

高齢になると衰えていく聞こえの問題は、誰にも関わること。新しいセンターは、聴覚障害者だけでなく、多くの人の悩みに応えていきます。