2022.09.23
スポーツ実況を”手話”でしたら…? 色々な新しい発見が フジテレビアナウンサーが指導【岡山】
手話が語る福祉のコーナーです。誰もがモータースポーツを楽しめるように、レース観戦のバリアフリー化に向け、今、様々な取り組みが進んでいます。
(フジテレビ・竹下陽平チーフアナウンサー)
「このコースの最高スピードが出る所、バックストレート。ここからヘアピンカーブに向けてはフルブレーキングになっていきます。ここからブレーキング!」
アナウンサーのレース実況に合わせ、ろう者が手話で表現します。 (手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さん)
「私もろう者のみんなも実況を聞いたことがない。(手話実況は)今までにない新しいスポーツの楽しみ方」 市販車を改造したマシンで勝敗を争う「スーパー耐久」。 モータースポーツ観戦のバリアフリー化への挑戦は10月15、16日の2日間、美作市の岡山国際サーキットで行われるレースで実施されます。 東京の一般財団法人、トヨタ・モビリティ基金の助成を受け行われるもので、誰もがモータースポーツを楽しめることを目指します。 (一般財団法人トヨタ・モビリティ基金 石川貴規事務局長)
「障害がある方と一見すると遠いところにあると思えるモータースポーツを、掛け合わせて取り組みを推進しています。誰もが移動を超えて自分のやりたいことに挑戦できる社会の実現に少しでもお役に立つことができれば」 国の内外の応募から採択されたのは17のチームで、手話実況などを提案したOHKのアイデアもその1つです。
(篠田吉央キャスター)
「手話の実況を実現するために。こちらで勉強会を開催します」 東京のフジテレビで初めて開かれた手話実況の勉強会。オリンピックやF1の実況で経験豊富な竹下陽平アナウンサーが講師を務めます。 (フジテレビ・竹下陽平チーフアナウンサー)
「臨場感を伝える方法は、声の大きい小さい。(小さい声で)『お兄ちゃんは強かった』(大きい声で)『お兄ちゃんは強かった!』…声の大きさの違い。(声の大きさは)だいたい5段階に分けている」 (手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さん)
「そういった時、私だったら手話でこうする…(感情を込めて)『本当にお兄ちゃんは強かった~』」 手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さんは、ろう者のオリンピック、デフリンピックに自転車競技で出場した、横浜市のアスリート。手話だからこそ伝わるスポーツの魅力があるといいます。 (手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さん)
「字幕を見るだけでは気持ちが伝わってこない。強く言ったのか、弱く言ったのか、わからない」
手話での実況は、アナウンサーの音声を手話通訳し、それを見た早瀬さんが意味を掴み、自分が感じたレースの様子と組み合わせ、より伝わりやすい表現に変え届けますが、早瀬さんは声の強弱や緩急を、竹下アナの“ある様子”からも読み取っていました。 (手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さん)
「竹下アナの顔を見ていた。(アナウンサーは)声が仕事だが、声プラス表情、体の動き方、体全体を使っている」
(フジテレビ・竹下陽平チーフアナウンサー)
「『今まで字幕でしかわからなかったものの、テンションを変えることによって、もっとスポーツが魅力的に伝わる』とおっしゃっていたのを聞いて、これは音のある世界も音の無い世界も同じなんだということを知ることができました」 モータースポーツ観戦のバリアフリー化は、聴覚障害だけでなく、視覚障害も対象です。 (コース上で路面を触り:備前焼作家・藤森信太郎さん)
「多少凹凸があって公道とは違う」 (国立民族学博物館・広瀬浩二郎准教授)
「意外に凸凹している。歩いているとわからなかったが、触ると分かった」 こう語るのは、大阪の国立民族学博物館で准教授を務める、全盲の広瀬浩二郎さん。接触、触ることを通じ文化を理解しようという“触文化論”が専門で、今回、備前焼作家と協力し、手で触って楽しめる“備前焼のサーキット”を作ります。 (コース図を見ながら:篠田キャスター)「長いストレートがあります。ここで最高速度になるそうです。ここから小刻みにコーナーがある」 (広瀬准教授)「複雑ですね」
(篠田キャスター)「13のコーナーがある」
サーキットのカーブや勾配も再現し、視覚障害者の頭の中にコースを描いてもらう。そのために、岡山県の特産品・備前焼は最適だと広瀬さんは考えます。 (国立民族学博物館・広瀬浩二郎准教授)
「僕は色はわからないけど、手触りは素晴らしいですね」 (備前焼作家・藤森さん)
「うわぐすりをかけずに土だけで焼くので、ザラザラした感じが備前焼の特徴ですね」
特に手触り感にはこだわり、通常の土に粗い土を混ぜ、ざらざらした路面を表現します。
(備前焼を触って:広瀬准教授)
「お~こんな感じですよね。サーキットの“ざら”“ぼこ”の感じが出ている」
(国立民族学博物館・広瀬浩二郎准教授)
「モータースポーツは見て楽しむもの、迫力を楽しむものというところがありましたが、触覚の要素が加わると、ユニバーサルにバリアを取り除くだけでなく、普段目で楽しんでいる人たちの楽しみ方も広がってくる」
この他にもOHKでは、美作市の湯郷温泉にある旅館と連携し、二次元バーコードを読み取ると離れた場所にいる手話通訳者と、テレビ電話で結ぶことができる遠隔手話通訳を設置する予定です。宿泊するろう者に、湯郷温泉の魅力などより多くの情報を届けます。
(ゆのごう美春閣・永山久徳社長)
「他のお客様と全く同じ情報を普通にお伝えできるのはありがたい」 健常者も障害者も共に楽しめるモータースポーツ。情報のバリアフリー化へまた1つ大きな1歩を踏み出します。
(フジテレビ・竹下陽平チーフアナウンサー)
「このコースの最高スピードが出る所、バックストレート。ここからヘアピンカーブに向けてはフルブレーキングになっていきます。ここからブレーキング!」
アナウンサーのレース実況に合わせ、ろう者が手話で表現します。 (手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さん)
「私もろう者のみんなも実況を聞いたことがない。(手話実況は)今までにない新しいスポーツの楽しみ方」 市販車を改造したマシンで勝敗を争う「スーパー耐久」。 モータースポーツ観戦のバリアフリー化への挑戦は10月15、16日の2日間、美作市の岡山国際サーキットで行われるレースで実施されます。 東京の一般財団法人、トヨタ・モビリティ基金の助成を受け行われるもので、誰もがモータースポーツを楽しめることを目指します。 (一般財団法人トヨタ・モビリティ基金 石川貴規事務局長)
「障害がある方と一見すると遠いところにあると思えるモータースポーツを、掛け合わせて取り組みを推進しています。誰もが移動を超えて自分のやりたいことに挑戦できる社会の実現に少しでもお役に立つことができれば」 国の内外の応募から採択されたのは17のチームで、手話実況などを提案したOHKのアイデアもその1つです。
(篠田吉央キャスター)
「手話の実況を実現するために。こちらで勉強会を開催します」 東京のフジテレビで初めて開かれた手話実況の勉強会。オリンピックやF1の実況で経験豊富な竹下陽平アナウンサーが講師を務めます。 (フジテレビ・竹下陽平チーフアナウンサー)
「臨場感を伝える方法は、声の大きい小さい。(小さい声で)『お兄ちゃんは強かった』(大きい声で)『お兄ちゃんは強かった!』…声の大きさの違い。(声の大きさは)だいたい5段階に分けている」 (手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さん)
「そういった時、私だったら手話でこうする…(感情を込めて)『本当にお兄ちゃんは強かった~』」 手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さんは、ろう者のオリンピック、デフリンピックに自転車競技で出場した、横浜市のアスリート。手話だからこそ伝わるスポーツの魅力があるといいます。 (手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さん)
「字幕を見るだけでは気持ちが伝わってこない。強く言ったのか、弱く言ったのか、わからない」
手話での実況は、アナウンサーの音声を手話通訳し、それを見た早瀬さんが意味を掴み、自分が感じたレースの様子と組み合わせ、より伝わりやすい表現に変え届けますが、早瀬さんは声の強弱や緩急を、竹下アナの“ある様子”からも読み取っていました。 (手話実況に挑戦する早瀬憲太郎さん)
「竹下アナの顔を見ていた。(アナウンサーは)声が仕事だが、声プラス表情、体の動き方、体全体を使っている」
(フジテレビ・竹下陽平チーフアナウンサー)
「『今まで字幕でしかわからなかったものの、テンションを変えることによって、もっとスポーツが魅力的に伝わる』とおっしゃっていたのを聞いて、これは音のある世界も音の無い世界も同じなんだということを知ることができました」 モータースポーツ観戦のバリアフリー化は、聴覚障害だけでなく、視覚障害も対象です。 (コース上で路面を触り:備前焼作家・藤森信太郎さん)
「多少凹凸があって公道とは違う」 (国立民族学博物館・広瀬浩二郎准教授)
「意外に凸凹している。歩いているとわからなかったが、触ると分かった」 こう語るのは、大阪の国立民族学博物館で准教授を務める、全盲の広瀬浩二郎さん。接触、触ることを通じ文化を理解しようという“触文化論”が専門で、今回、備前焼作家と協力し、手で触って楽しめる“備前焼のサーキット”を作ります。 (コース図を見ながら:篠田キャスター)「長いストレートがあります。ここで最高速度になるそうです。ここから小刻みにコーナーがある」 (広瀬准教授)「複雑ですね」
(篠田キャスター)「13のコーナーがある」
サーキットのカーブや勾配も再現し、視覚障害者の頭の中にコースを描いてもらう。そのために、岡山県の特産品・備前焼は最適だと広瀬さんは考えます。 (国立民族学博物館・広瀬浩二郎准教授)
「僕は色はわからないけど、手触りは素晴らしいですね」 (備前焼作家・藤森さん)
「うわぐすりをかけずに土だけで焼くので、ザラザラした感じが備前焼の特徴ですね」
特に手触り感にはこだわり、通常の土に粗い土を混ぜ、ざらざらした路面を表現します。
「お~こんな感じですよね。サーキットの“ざら”“ぼこ”の感じが出ている」
(国立民族学博物館・広瀬浩二郎准教授)
「モータースポーツは見て楽しむもの、迫力を楽しむものというところがありましたが、触覚の要素が加わると、ユニバーサルにバリアを取り除くだけでなく、普段目で楽しんでいる人たちの楽しみ方も広がってくる」
「他のお客様と全く同じ情報を普通にお伝えできるのはありがたい」 健常者も障害者も共に楽しめるモータースポーツ。情報のバリアフリー化へまた1つ大きな1歩を踏み出します。