2024.11.28
廃業覚悟でいた父親は反対も…4代目を継ぐ覚悟を決めた24歳女性が 両親につづった思い【岡山・岡山市】
全国で半数以上の企業が、後継者不在となっています。跡継ぎ問題が深刻になる中、跡継ぎとなる選択をした岡山市の20代の女性がいます。社会に必要な選択ですが、経営者の父親からは反対される。女性の覚悟を取材しました。
10月、岡山市で開かれた会社経営に関する勉強会。参加者の顔ぶれは・・・。
「僕は2代目」
「僕で3代目」 全員が岡山県内の企業の後継者、跡継ぎです。11月に発表されたデータによると現在、跡継ぎがいない県内の企業は約6割に上ります。また全国では2024年1月から10月までに事業を継続できなくなったケースは、455件あったといいます。 (岡山県商工会連合会 広域サポートセンター 牧野広和次長)
「やっていかないといけないが、後継者がいなくてやむなく事業をやめなければいけない場合が多い。後継者の育成に力を入れて、地域に残さないといけない事業を残したい」 この「おかやま後継者養成塾」に参加した竹原奈那さん(24)。 2023年、岡山市で肥料の卸売やコメの生産を手掛ける従業員9人の「両備産業」に入社しました。 代々親族で経営を続け、3代目の今の社長は父親の泰弘さん(58)です。 (両備産業 竹原奈那さん)
「両親も(私が)姉妹だったので継がせる気持ちが全くなくて、手伝いもした記憶はない。でも(会社を)つぶしたくないという思いが徐々に出てきた」 大学時代は公務員を目指していた奈那さん。しかし就職活動が難航し、将来を考え直した時、頭に浮かんだのが、両親が経営する会社で働くという選択肢でした。 (両備産業 竹原奈那さん)
「自分の人生の使命は何か考えた時に、先祖が代々守ってくれたもので自分は生きられていると考えたら、自分の使命はこれだとつかんだ気持ちになった」
決意を固めた時、その思いをつづり、両親に提出しました。
「私がなぜ両備産業で働きたいのか考えてみた。2人が人生をかけて守ってきたものを無くしたくないし、衰退させたくない」 しかし、父親の反応は。
(両備産業 竹原泰弘社長)
「やりたいという以前に反対。業界が右肩下がりなので、今後、娘がやっていく間に業界が持ち直すイメージが湧かなかった」 肥料を扱う「両備産業」の顧客は農家。深刻な高齢化が進み、先が見通せない状況から娘を跡継ぎとして考えることができなかったといいます。
(両備産業 竹原泰弘社長)
「(Q:4代目はどうすると考えていた?)私の代で行けるところまでいってそこから考えようと。事業承継を違うところに任すか、廃業か」
あと2年で60歳を迎える父・泰弘さん。自分の代での廃業も考えていましたが、娘が名乗り出たことで会社の歴史が繋がりました。 今、奈那さんは新しい挑戦を始めました。肥料をやる時期を調整することでたんぱく質を多く含む「マッチョ米」という新しいコメの開発を進めています。 (両備産業 竹原奈那さん)
「今は米価が上がっているが、元はすごく低かった。どうにか単価を上げられたら」
(両備産業 竹原泰弘社長)
「新しいことをやっていくのは意欲的でプラスになる。今まで既存のことしかやっていないので明るい兆しがある。(Q:帰ってきてくれてうれしい?)気持ちは非常にうれしいというより、わくわくしながらやっている」 後継者不足から廃業に追い込まれる企業が後を絶たない中、先細りとも言われる業界で挑戦することを決意した奈那さん。その覚悟を持って、数年後には父親から4代目を引き継ぎます。
「僕は2代目」
「僕で3代目」 全員が岡山県内の企業の後継者、跡継ぎです。11月に発表されたデータによると現在、跡継ぎがいない県内の企業は約6割に上ります。また全国では2024年1月から10月までに事業を継続できなくなったケースは、455件あったといいます。 (岡山県商工会連合会 広域サポートセンター 牧野広和次長)
「やっていかないといけないが、後継者がいなくてやむなく事業をやめなければいけない場合が多い。後継者の育成に力を入れて、地域に残さないといけない事業を残したい」 この「おかやま後継者養成塾」に参加した竹原奈那さん(24)。 2023年、岡山市で肥料の卸売やコメの生産を手掛ける従業員9人の「両備産業」に入社しました。 代々親族で経営を続け、3代目の今の社長は父親の泰弘さん(58)です。 (両備産業 竹原奈那さん)
「両親も(私が)姉妹だったので継がせる気持ちが全くなくて、手伝いもした記憶はない。でも(会社を)つぶしたくないという思いが徐々に出てきた」 大学時代は公務員を目指していた奈那さん。しかし就職活動が難航し、将来を考え直した時、頭に浮かんだのが、両親が経営する会社で働くという選択肢でした。 (両備産業 竹原奈那さん)
「自分の人生の使命は何か考えた時に、先祖が代々守ってくれたもので自分は生きられていると考えたら、自分の使命はこれだとつかんだ気持ちになった」
決意を固めた時、その思いをつづり、両親に提出しました。
「私がなぜ両備産業で働きたいのか考えてみた。2人が人生をかけて守ってきたものを無くしたくないし、衰退させたくない」 しかし、父親の反応は。
(両備産業 竹原泰弘社長)
「やりたいという以前に反対。業界が右肩下がりなので、今後、娘がやっていく間に業界が持ち直すイメージが湧かなかった」 肥料を扱う「両備産業」の顧客は農家。深刻な高齢化が進み、先が見通せない状況から娘を跡継ぎとして考えることができなかったといいます。
(両備産業 竹原泰弘社長)
「(Q:4代目はどうすると考えていた?)私の代で行けるところまでいってそこから考えようと。事業承継を違うところに任すか、廃業か」
あと2年で60歳を迎える父・泰弘さん。自分の代での廃業も考えていましたが、娘が名乗り出たことで会社の歴史が繋がりました。 今、奈那さんは新しい挑戦を始めました。肥料をやる時期を調整することでたんぱく質を多く含む「マッチョ米」という新しいコメの開発を進めています。 (両備産業 竹原奈那さん)
「今は米価が上がっているが、元はすごく低かった。どうにか単価を上げられたら」
(両備産業 竹原泰弘社長)
「新しいことをやっていくのは意欲的でプラスになる。今まで既存のことしかやっていないので明るい兆しがある。(Q:帰ってきてくれてうれしい?)気持ちは非常にうれしいというより、わくわくしながらやっている」 後継者不足から廃業に追い込まれる企業が後を絶たない中、先細りとも言われる業界で挑戦することを決意した奈那さん。その覚悟を持って、数年後には父親から4代目を引き継ぎます。