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2023.12.14

本人の理想は「気は優しくて力持ち」香川県民の警察官・牛島勝史巡査部長の横顔【香川】

長年地域の安全に貢献した警察官に贈られる2023年の「香川県民の警察官」を紹介します。今回選ばれたのは、香川県警地域課移動交番係の牛島勝史巡査部長(54)。大きな体と優しい心で地域の安全を守ります。

香川のまちなかを走る1台の警察車両。県警に2020年に導入された移動交番車です。琴平町の運動施設で移動交番を設営するのは、香川県警地域課移動交番係の牛島勝史巡査部長。係の発足当初から所属する中心メンバーで、2023年の『香川県民の警察官』に選ばれました。

(牛島勝史巡査部長)
「すごく親しみがあって、何でも話せそうな感じがあるので、そういうことを聞くとやっていて良かったと思う」

移動交番とは、その名の通り、様々な場所に移動して交番の役割を果たすもので、届け出や相談の受理などが主な仕事です。

(訪れた人との会話)
「いまは特殊詐欺の防止をしたり、年末に備えて交通安全の関係で呼び掛けさせてもらっている」

一方で、世間話に花を咲かせることも大切な仕事の1つ。県内全域を管轄とする仕事柄、話す人の多くは初対面です。何気ない会話を通して困りごとがないか確かめます。

(訪れた人との会話)
「夜とか結構歩いたりしますか?いま寒いけど」
「夜はよくここへ」
「ちょっと待って。これは反射材と言うんですけど、手首に付けたり巻いたりしたら全然違うので良かったらどうぞ」

初めて会う人ともすぐに打ち解ける気さくな人柄は、移動交番の仕事にぴったりです。

(ヴィスポことひら 東尾直樹支配人)
「スタッフ側の話もしっかり聞いてくれたり、すごく伝わってくるので、相談に来る人も心を開いて聞いてくれていると思う」

(牛島勝史巡査部長)
「ありがとうございます」

牛島巡査部長は、30年前から高松市のスポーツジムに通っています。ここまで体を追い込む背景には、ある思いがありました。

(牛島勝史巡査部長)
「もともとすごく細かったので、キン肉マンみたいなムキムキな人になって強くなりたいというのがあった」

高校生の頃に憧れた白バイ隊員を目指して、高校卒業後の1988年に県警に入った牛島巡査部長。当時は体の線が細く、体重は今より40キロ軽い約60キロでした。

(牛島勝史巡査部長)
「(当時)一緒にやっていた人が機動隊に行くような柔道のすごくがっちりした人で、(クレームがある時は)その人に行かず、僕のところに言ってきたりしたので、大きな先輩みたいになりたかった」

そこで出会ったのが、ジムを経営する中尾達文さんです。パワーリフティングの全国大会で18回優勝した実績を持つ中尾さんのもとで週5回のトレーニングを行い、心身ともに鍛え上げてきました。

(高松トレーニングクラブ 中尾達文代表)
「人間性が素晴らしい。共に触れ合うというか、心が開けるというか、そういうところに非常に共感している」

ジムでの鍛錬は、精神的な成長にもつながりました。

(牛島勝史巡査部長)
「肉体的にも精神的にも強くなれて、同時に優しくなれた。強さと優しさはイコールだと思う」

牛島巡査部長の警察官としての1日は、移動交番車の掃除から始まります。

(牛島勝史巡査部長)
「車は一緒に仕事をする相棒のように思っているので、人間みたいに話はしないが、こういうふうに見るといつもと違うところがあれば相棒の声だと思う」

車は共に地域を守る相棒のような存在。感謝の気持ちを込めてきれいにすることが毎朝のルーティンです。

(牛島勝史巡査部長)
「よっしゃ。オッケー」

この日、牛島巡査部長が移動交番車で向かったのは高松市の古高松南小学校。子供たちに警察の仕事を紹介することも大切な役割の1つです。

いつも笑顔を絶やさない牛島巡査部長。子供たちも、心を開いていました。

(児童は…)
「いろんな分野で警察官はまちを守ってくれていると思った」
「最初怖そうな人と思ったが、絶対みんなから優しいと慕われる人だと思う」

移動交番車とともに地域を見守り続ける牛島勝史巡査部長。これからも、大きな体と優しい心で香川の安全と安心を守ります。

(牛島勝史巡査部長)
「気は優しくて力持ち。そういった形で弱き人を助けて悪に立ち向かう。ありふれた警察官像だが、これからもやっていけたらと思う」