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2023.12.13

海外の子供たちに「光を届ける」全盲の男性 5万円あれば1つの目に視力が戻る【岡山・岡山市】

海外の目の不自由な子供の治療費を支援する岡山市の全盲の男性が、カンボジアを訪れ子供たちと交流します。コロナ禍の影響などで4年ぶりとなる海外での活動。今回の訪問にかける思いを聞きました。

カラフルなクレヨンと画用紙。治療を終えた子供たちへのプレゼントです。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「何を描くでしょうかね?見える喜びがいっぱいに画用紙の上に広がるわけだから」

カンボジアを訪れるのは、岡山盲学校の元教頭で、全盲の竹内昌彦さん(78)。2017年に立ち上げた認定NPO法人ヒカリカナタ基金は、モンゴルやキルギスベトナムなど6つの国で、子供たちの目の治療費を支援しています。竹内さんは、初めて手術が行われる国や地域には、必ず足を運んできました。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「見えるようになって希望を広げて頑張っていける、それは素晴らしいこと」

盲学校を退職したあと、竹内さんは全国から依頼される講演の謝礼金をためて、モンゴルとキルギスに盲学校を建設しました。その活動の中で、手術を受ければ目が見えるようになる子供がたくさんいることを知ったのです。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「手の届く日本のお金で5万円ぐらいあれば、1つの目に視力が戻る。それを知った以上、親にお金がないのなら私たちのお金で見える人をたくさんつくりたい。自分が目が見えないだけにその思いは強かった」

生きているうちに1000人の子供の目を治したいと立ち上げた基金。これまでに771人に光を届けてきました。今回訪れるのはカンボジア南部の田舎町タケオ。78歳になった竹内さんは、体力的な不安もありましたが、3年前から協力してくれている病院を訪れる決心をしました。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「タケオの病院は初めて行く、どういう場所で子供たちの目の手術が行われているのか、その後、包帯が取れる時の思い、子供たちと直接握手をしたりだっこしたりというのも、思い出と記憶として持って帰りたい」

手術の後、クレヨンと画用紙を受け取った子供たちは、どんな絵を描いてくれるでしょうか?

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「気持ちはいつまでも若いが、体はそうはいかない。行くたびにこれでおしまいかもしれないという思いで行っている。今回本当に最後になるかもしれない。それだけにいっぱい思いを込めて行きたい」

竹内さんは、12月17日に出発します。