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“宇宙の土”で育った野菜、初公開 将来は「月と火星で森を作りたい」と夢ふくらむ【岡山・岡山市】

2023.12.08

“宇宙の土”で育った野菜、初公開 将来は「月と火星で森を作りたい」と夢ふくらむ【岡山・岡山市】

小惑星と同じ土で育った野菜が初公開です。岡山大学と岡山市の両備ホールディングスは、JAXAの探査機はやぶさ2が持ち帰った土を再現し、野菜の栽培に成功。その野菜が公開されました。

(岡山大学自然生命科学研究支援センター 中村栄三特任教授)
「手作りのグリーンハウス。ここでりゅうぐうの土を合成して土壌にして植物を育てている」

細い容器の中で育つ、野菜。使われている土は地球から3億キロ離れた小惑星、「りゅうぐう」の砂から再現したものです。岡山大学の惑星物質研究所で中村栄三特任教授が率いる研究チームは、2014年に打ち上げられたはやぶさ2が持ち帰った砂を分析し再現した土でミニレタスや小松菜などを育てています。

“宇宙の土”で育った野菜の映像は、初めての公開です。

(岡山大学自然生命科学研究支援センター 中村栄三特任教授)
「植物ができたなら月の上で飯食える。最終的には月と火星で森を作りたい」

再現したりゅうぐうの土で育った野菜は、地球の野菜に比べて小さめですが、しっかりと生長していることが分かります。

(岡山大学自然生命科学研究支援センター 中村栄三特任教授)
「これが本物のりゅうぐうの試料」

3年前、はやぶさ2が持ち帰ったりゅうぐうの砂の実物です。中村特任教授らは鉱物や有機物を分析し、同じ成分の土を再現。再現した土を大量に作れたことが野菜の栽培の成功につながりました。

ともに研究を進める両備ホールディングスの植物工場は大量に栽培できる環境が整っていて、現在倉敷市で開かれている宇宙開発に関するシンポジウムでは、懇親会でこの野菜を使ったサラダが振る舞われたといいます。

(岡山大学自然生命科学研究支援センター 中村栄三特任教授)
「(研究所で育ったレタスは)味はすごくおいしかった。香りがすごく強かった」

人類が宇宙で自給自足できれば、そこに住める日も遠くないかもしれません。

(岡山大学自然生命科学研究支援センター 中村栄三特任教授)
「(Q:月に人類が住むのは何年後が現実的?)今考えられているのは2045年にispace(日本の宇宙企業)が1000人規模の村を作りたいと。2045年に向けて準備をするなかの大きな要素は食料。食料ができれば思い切って自信をもって人類そのものが(月での生活に)チャレンジできる」

12月9日に岡山市の杜の街グレースで開かれるイベント「月に杜を創ろう」では、中村特任教授が今回の研究について講演します。