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2023.10.24

水道水から有害性が指摘される「PFAS」吉備中央町の発表から1週間…生活への影響広がる【岡山】

岡山県吉備中央町の浄水場の水から国の暫定目標値を超えた有機フッ素化合物PFASが検出されたと町が発表してから10月24日で1週間です。水のやりくりに苦労しながら生活する住民の今を取材しました。

1週間前の夜、地元説明会で幼い1人娘への健康被害の不安を町にぶつけた大谷梓さん。

(大谷梓さん)
「自分だけだったら今ほど深刻に考えないが、 子供がいると全く違う。子供が心配。うっかり蛇口から出した水で みそ汁を作ろうとしたり、(子供に)うがいをさせてしまったり 子供には口にさせたくないと思う」

有害性が指摘される「PFAS」が国の暫定目標値を超える値で検出された円城浄水場の水を使っていた522世帯の日常は一変しました。もともと家に浄水器を設置していた大谷さん。

今も、蛇口から出る水には国の暫定目標値を超えるPFASが含まれていて、浄水器の水は手洗いに、水道水は洗濯や風呂、町が給水車などで供給する水は飲み水や料理用と用途ごとに使い分けています。

コレステロール値の上昇や発がん性などが複数の研究で指摘されているPFAS。6人家族の台所を切り盛りする上野さんも不安と町への憤りが隠せません。

(上野茂古さん)
「健康被害はないと繰り返し(町は)言うが なぜそんなことを言えるのか。これが憤りと思う」

町内の道の駅にあるうどん店では、麺をゆでる水、食材の洗浄など客の口に入るものは全て町が提供する水を使っています。

(道の駅かもがわ円城 田原次郎駅長)
「くんできた水を 米とぎから調理に使って、食器を浄水で洗って拭きあげている。風評(被害)もこわいが うちとしてやれることを全部やって、(客に)迷惑をかけないようにやっている」

住民の暮らしに影響が続く中、町は24日、町民の不安の解消に向け、健康相談窓口を開設。早速、相談が寄せられ、職員は対応に追われていました。

(吉備中央町保健課 塚田恵子課長)
「どの世代も不安だと思う 特に子供への影響については、親が不安に思っていると思うので 寄り添っていきたい」

町は円城浄水場の水の浄化に使う活性炭を取り換えるとともに、水源をこれまで水を引いていた河平ダムから日山ダムに変え、復旧を急いでいます。