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2023.08.04

若い世代に合宿を通してハンセン病の歴史を…神戸女学院の生徒が長島愛生園の新宿泊施設で学習【岡山】

夏休み中の生徒たちがハンセン病の歴史を学びます。瀬戸内市の国立ハンセン病療養所・長島愛生園で、新しい宿泊施設を利用した合宿が行われました。

長島愛生園で2023年4月にオープンした宿泊施設「むつみ交流館」にやってきたのは、兵庫県西宮市にある中高一貫校、神戸女学院の生徒約40人です。

(生徒は…)
「歴史館を回るのが楽しみ」
「先輩と協力し楽しくできたら」

この学校では20年前から愛生園を訪問していますが、今回は4年ぶりで園内に宿泊するのは初めてです。

(神戸女学院中学部・高等学部 大門光歩教諭)
「島で時間を過ごすことで入所者の生活を思い浮かべることができる。そのことを期待している」

愛生園の山本典良園長は、ハンセン病の歴史を若い世代に伝えるために新しい宿泊施設を活用したいと考えていました。

*講演「感染症も一緒」「少数者の意見を聞く寛容な社会になってほしい」

(長島愛生園 山本典良園長)
「来て、いろんなことを学んで帰ってくれること以上のことはない」

初日、生徒たちは学芸員の案内で園内の歴史的な建物を巡り、強制収容された入所者の生活の様子などを学びます。

2日目、生徒たちは園内を自由に散策します。

(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長と生徒とのやりとり)
「エンゼルス好きなんですか?」
「誕生日の時にもらった」
「またよかったら来てください。1泊と言わず2泊でも」

(生徒は…)
「他の人の意見で自分のことを決めたり、偏見でものを見てないか、もう一度考え直すいい機会になった」
「世の中にはびこっている偏見や矛盾はたくさんあると思う。そこに理性で立ち向かっていく力は私たちにしかない」

愛生園では今後もこうした宿泊学習を積極的に広め、多くの若い世代にハンセン病の歴史について関心を持ってもらいたいとしています。