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2023.07.28

災害時には”県民の命守る” 運転技術向上に取り組む…岡山県警白バイ隊員の思い【岡山】

県民の交通安全を守る岡山県警の白バイ隊員。災害時には車が通れない場所に入り、人命救助などの役割を担います。5年前の西日本豪雨を教訓にした災害に備える訓練を取材しました。

整備されていない道に散乱する障害物を乗り越えていくオフロードバイク。岡山市の山あいにある特設訓練場では、大規模災害の発生時にバイクの機動力を駆使して、被災地で迅速に活動するための災害警備訓練が行われていました。

訓練に励んでいるのは、岡山県警の交通機動隊に所属する警察官、守谷絢都さんです。2年前に交通機動隊に入隊した守谷さん、普段は白バイに乗って交通指導取締りやパトロールなどを行っています。

警察官になって3年目の夏、守谷さんが県警の機動隊員だったとき、西日本豪雨が発生。災害直後から倉敷市真備町で約1カ月間、住民の救助活動や交通整理にあたりました。

(岡山県警交通機動隊 守谷絢都巡査長)
「白バイ(オンロードバイク)だとどうにもならない、進めない状態。普段はアスファルトの公道がドロドロで滑って転倒しかねない状態こんなにも変わるものかという悲惨な状態だった。備えが足りていなかったのかなと思った」

岡山県警では豪雨の教訓などを踏まえ、2022年から県下の白バイ隊員全員がこの災害へ備えた訓練を行っています。

(岡山県警交通機動隊 守谷絢都巡査長)
「溝がたくさん付いていて深いので、障害物などを乗り越えるときに地面にしっかりとタイヤが噛むように作られている。重さは140キロくらい。白バイと比べると半分以下」

白バイから赤いボディのバイクに乗り換え訓練開始。地震や豪雨などの災害時には、土砂やがれきなどが道路に散乱する恐れがあります。こうした場所はパトカーや白バイが通れないため、オフロードバイクでいち早く駆け付け、情報収集や人命救助などを行うのです。

(岡山県警交通機動隊 守谷絢都巡査長)
「障害物がある悪路をいかに足を付かずに走破できるかという訓練」

アスファルトの道と違い、常に滑る道。転倒せずに走るだけでも技術が必要です。守谷さんは2023年、運転技術のさらなる向上を目指す特別訓練員に任命され、日々訓練に励んでいます。

(岡山県警交通機動隊 守谷絢都巡査長)
「人命に関わるところなので、あの時自分が、今やそれ以上の技術を習得していたらもっと速く救助活動を行えていたのかな、というところを踏まえて必死に訓練している。災害の時はいち早く自分もケガ無く県民の皆さんの安全を確保できるように活動していければ」