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2023.07.13

紛争が起きても「絶対に取り残されてはいけない」 世界中の聴覚障害者が韓国に集まり議論【岡山】

世界中から聴覚障害者が集まり、情報や意見を共有する「世界ろう者会議」が韓国で開かれています。参加国からは、OHKの手話放送から広がる取り組みも注目を集めました。

世界ろう連盟が主催し、4年に1回開かれる、「世界ろう者会議」。2023年は7月11日から5日間、韓国の済州島で開かれています。聴覚障害者を取り巻く環境について、教育や医療など様々な分野の講演や討論が行われます。

(世界ろう連盟 ジョセフ・マレー会長)
「今年のテーマは『危機的状況での人権保障』。コロナや紛争、自然災害などの危機においても絶対にろう者が取り残されてはいけない。聴覚障害者の意見を聞きながら課題を解決していくことで、全ての人が暮らしやすい世界を実現できる」

集まるのは130以上の国の約2000人。戦禍のウクライナからもOHKが過去に取材したろう協会の会長が参加しました。

(ウクライナろう協会 イリーナ・チェプチーナ会長)
「ウクライナはとても深刻な状況だが、こうして会議に参加できてとても光栄に思う。聴覚障害者は助けがなければ状況が分からないことがある。こうした各国の状況を会議で共有し、いま何が本当に必要かを理解してもらい 解決していかなければならない」

会場内では様々な意見交換も行われました。聴覚障害者のために設立されたアメリカのギャローデッド大学とOHKは、収益化の視点から手話放送の可能性を探る取り組みなどについて共有しました。

(ギャローテッド大学 ロベルタ・コルダーノ学長)
「岡山放送の取り組みは、これまで見てきた様々なモデルの中でも最高だと思う。手話への理解のあるメディア企業として、教育機会や雇用機会など聴覚障害者の未来につながる取り組みだと思う。音声言語と、聴覚障害者の言語である手話は対立したものではなく、平等な『言語』として捉えられるべき」

学長との意見交換では、このほか手話を言語として明確に位置づけることの重要性や、手話放送をきっかけにした市場開拓への期待を確認しました。