OHK 8Ch

  • LINE友だち追加

2023.06.27

【記者解説】“宇宙一本気な乗務社員採用”は物流業界の“2024年問題”を打破できるか【岡山・香川】

時間外労働の規制強化で物流業界のドライバー不足が懸念される、いわゆる「2024年問題」などに備えようと、岡山市の両備グループは6月27日、大規模な採用プロジェクトを行うと発表しました。

その名も「宇宙一本気(マジ)な乗務社員採用」。

物流事業や公共交通のドライバー不足を解消しようと、両備グループが2023年度末まで行う採用プロジェクトです。夏と冬に分けて展開し、テレビCMを流すほか特設サイトを開設するなどして、物流やタクシー、バスなど両備グループの5つの部門で、合わせて200人の大規模採用を目指します。

背景にあるのが、いわゆる「2024年問題」。トラックドライバーの時間外労働の上限が2024年4月から年間960時間に制限され、人手不足や物流の停滞などが予想されています。

(両備ホールディングス トランスポーテーション&トラベル部門 大上真司副部門長)
「コロナがあけて需要が戻ってきたときに、客が待っているのに車を走らせられないという現実。乗務社員の充実が必要で、課題の解決をするプロジェクトを進めていきたい」

プロジェクトでは、2023年度末までに800回以上の採用説明会やイベントの開催も予定しているということです。


物流や公共交通の業界では深刻な人手不足が続いています。2024年問題やコロナ禍が及ぼした雇用への影響など、背景を解説します。

今後の物流業界に大きな影響を与えるとされる2024年問題。これまでトラックやタクシーなど自動車運転業務に時間外労働の上限規制はありませんでしたが、2024年4月からは上限が年間960時間に規制されるようになります。

(奥原怜奈記者)
「運送会社で考えてみると労働時間が減少することで1人のトラックドライバーが1日で運ぶ荷物の量が減ることになります」

このため、現在の輸送量を維持するためには、より多くのドライバーが必要になります。

また、こちらは両備グループ5部門の乗務社員数の推移です。
両備G乗務社員推移
2020年度と比べると、2022年度は約2割減っています。コロナ禍による利用者の減少でドライバーが離職したことなどが要因で、多くの業種で人手不足が問題となる今、再び人材を確保するのは簡単ではないといいます。

物流や公共交通機関の人手不足は私たちの生活と密接に関わっているだけに、今回のプロジェクトが成果を生むのか、注目です。