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2023.05.23

県内で初の発見!江戸時代後期に“人々を病から救いたい”と念じた修行僧の「弘法大師像」【岡山・赤磐市】

江戸時代後期に人々の安寧を祈り、日本全国を修行で巡っていた僧侶、木喰上人(もくじきしょうにん)が制作した仏像が岡山県内で初めて赤磐市で見つかりました。

見つかったのは弘法大師像で高さ59センチ。頭から台座まで1つの木を削って制作されています。穏やかな笑顔が特徴で両手に数珠など仏具を持っています。

(三竿雅義記者)
「弘法大師像はこちらの大師堂で発見されました」

2023年3月、市内の和田地区にある大師堂を赤磐市山陽郷土資料館の学芸員が調査した際、発見しました。

甲斐の国、現在の山梨県で生まれた木喰上人は日本の人々を病から救おうと60歳を過ぎたころから全国を巡り自らが制作した仏像を1000体、奉納する修行を続けました。

5月23日に公開された仏像には1798年(寛政10年)9月1日に完成したことが記されています。木喰が制作した仏像は2015年までに626体が発見されていますが、岡山県内での発見はこれが初めてです。多くは紫外線や虫による被害で保存状態が良くないということですが、今回の弘法大師像は風通しの良い大師堂の中で日の光を浴びることなく、適度な湿度が保たれていたため、良い状態だといいます。

(仏像専門に調査・研究する 就実大学 中田利枝子非常勤講師)
「こうやって目の前にするとうれしいし、びっくり。たくさん(木喰の)作品を見た中で、この前作ったのでは?と思うくらい状態がいいと思う」

仏像は赤磐市山陽郷土資料館で24日から5月末まで一般公開されます。