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2023.05.02

「飽くなき探究心」でパリ五輪へ! アーチェリー中西絢哉選手が世界選手権日本代表に内定【岡山】

4月に開かれたアーチェリーの世界選手権の代表選考会で、岡山市の中西絢哉選手が日本代表に内定しました。2024年のパリオリンピック出場がかかった勝負の大会に挑む中西選手を取材しました。

70メートル先にある的の中心をめがけて矢を放ち、合計得点を競うアーチェリー。この競技で岡山からパリオリンピックを目指す選手がいます。

(中西絢哉選手)
「東京五輪の選考会であまりパフォーマンスが出せなくて悔しい思いをして負けているので、しっかりリベンジしたい気持ちでやっていて、今回何となく自分の中で管理ができて、リベンジができたとは思っていないが、前より少し成長できたかなと」

岡山市出身、シーアール物流所属の中西絢哉選手(23)。4月9日に東京で開かれた日本代表選考会のトーナメントで優勝し、パリオリンピックへの登竜門、世界選手権への切符を手にしました。

(中西絢哉選手)「まずは優勝できて通過できて、とりあえず今はほっとしている」

中西選手がアーチェリーを始めたのは小学5年生の時。新聞でアーチェリーの記事を見つけたことがきっかけでした。中学2年で全日本小中学生選手権を制すと、その後は数々のタイトルを獲得しました。東京オリンピックは最終選考で惜しくも代表入りを逃しましたが、2022年、近畿大学を卒業後岡山に戻り、24年のパリに向け練習を重ねています。練習環境が整った大学を離れ、地元に戻った中西選手の胸中には、故郷岡山に対する強い思いがありました。

(中西絢哉選手)「大学に上がって国体予選で帰ってくると、部員がコロナ禍もあって減ってきていて活気がない状態だったので、帰って活躍することで、その競技の発展に、もう一回競技を盛り上げることにつなげられたらと思って帰ってきた」

普段は母校の岡山理科大学附属高校の練習場で練習している中西選手。この日は小学生の頃から指導を仰いでいる溝井利和監督と、新しい弓を調整していました。

(中西絢哉選手)「狙うときに引っ張ってホールドするが、一番安定して自分の中で心地いいバランスになるようにしている。今までの弓なので、それとの変化がどうなのかを見るために同じようにセッティングをしている」
(川上悠助記者)「作って感覚が違うと思うことはある?」
(中西絢哉選手)「あります。逆に同じ物を作れたことはない。あれはカーボンハンドルだが、焼いたときの熱の入り具合で微妙に感覚が違うので、同じように作っても打った瞬間の弦の感覚が違ったとかあるので」

(溝井利和監督)「全く同じ品番のものが2本あっても感覚が違う」
(川上悠助記者)「そこまでわかるものなんですね」
(中西絢哉選手)「細かい違いが分らない状態がすごく嫌いなので、そういうところまで分かろうとし続けているうちに分かるようになってきた。東京五輪の選考会で、なぜ当たらないかわからない状態で負けたので、そこから絶対何とかしてやろうと」

分からないことが嫌いだという中西選手。アーチェリーへの飽くなき探究心が強さにつながっています。7月に始まる世界選手権。メダルを獲得すればパリオリンピックの日本の出場枠を確保できる重要な大会に、並々ならぬ思いで挑みます。

(中西絢哉選手)「岡山で競技を盛り上げるためにもまず、オリンピックに出ることが必要になってくるので、しっかり目の前の世界選手権、アジア選手権で枠を取ってパリにつなげたいと思う」