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2023.02.20

世界から注目! 岡山生まれのサステナブルな“新素材”とは ファッション・壁面・家具にも…【岡山】

岡山で生まれた廃棄される布を使った新素材が、今、世界から注目されています。繊維業界でも最先端という岡山発のサステナブルな取り組みを取材しました。

世界のトレンドの発信地、フランス・パリで2月2日から開かれていた展示会。現地デザイナーによる作品の数々、波のような美しい柄が特徴的です。

これらの作品は、すべて岡山で生まれた「NUNOUS(ニューノス)」という新素材が使われています。

この素材を開発したのが、倉敷市の老舗染色加工会社、セイショクです。1880年の創業以来、課題となっていたのが、生産過程で廃棄される布の処理でした。

(セイショク 姫井 明社長)
「これが我々の工場で出た規格外品。1日に10本ほど出てしまう。本当にちょっとした欠点の物が圧倒的に多い。それだけのために粉砕処理や 焼却処理されるのが非常にもったいない」

廃棄されてしまう布の山。国内では、こうした規格外の布が年間900万平方メートル以上、生まれていると推測されています。セイショクでは、これらをどうにかしようと、10年前から開発をはじめました。

(セイショク 姫井 明社長)
「捨ててしまう布を裁断して、サトウキビ由来の樹脂フィルムと交互に積層していく。そして機械で圧力をかけて固める」

工程はいたってシンプル。生地によって柄や質が変わるため、同じものはひとつとしてありません。

こうして生まれた素材は、様々な加工が可能で、ファッションアイテムはもちろん、壁面装飾や家具などにも生まれ変わります。そんな新素材が今、世界から注目されています。

(デザイナー フラヴィアン・デルベルグさん)
「本当に魅力的な素材。この仕上がりの良さは、フランスでも同じものを見たことがない」

(デザイナー マティルド・ブレジョンさん)
「この素材が、フランスで 将来性を持っていることは明らかだと思い、姫井社長と仕事をしようと思った」

(セイショク 姫井 明社長)
「「もったいない」というキーワードは、日本だけでなく世界の人々も感じていると思う。それを具体的に行動は今なのではないか。各国でしっかりと根差して、世界の布を廃棄しないという取り組みに我々の技術で貢献していきたい」

捨てられるはずのものが、新たな価値を持つ美しい商品に生まれ変わる、持続可能なものづくりの現場は、日々、進化し続けています。