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2023.01.13

生産枚数“激減” 前年のわずか38%… ノリ苦境 そのワケは…【岡山】

岡山市で1月13日、今シーズンのノリの品質を審査する会が開かれました。明らかになったのは、生産量の激減…。そこには温暖化の影響で動きが活発になったある魚の存在がありました。

「のり共進会」は、県漁連が毎年この時期に開いているもので、2023年は12の漁協の生産者が105点のノリを出品しました。審査員は、色つやや香り、味などを入念にチェックし、最優秀賞には下西漁協の小谷将和さんのノリが選ばれました。

(朝日漁協 豊田安彦組合長)
「黒い。光沢もあるし、味もよい。おいしいノリができている」

今シーズンは、質が良く、1枚当たりの平均単価が14円31銭と、前の年を1円以上上回りました。しかし、生産枚数は前の年のわずか38%…。生産額も約半分に激減しています。

その理由の一つが…

(岡山県水産研究所 横山貴洋技師)
「クロダイがノリを集団で食べに来ている」

実際にクロダイがノリを食べている写真です。実は今、クロダイによるノリの食害被害が拡大しています。漁師の竹田航平さんは、地球環境の変化が大きな要因とみています。

(ノリ漁師 竹田航平さん)
「温暖化が一番大きい。普段はこの時期、寒くなって、魚の動きが鈍くなるが、地球温暖化で、海水温が上がって、魚の活発な時期が長くなっている」

水温が低いと動きが鈍くなるクロダイ。しかし、温暖化の影響で海水温が上がったため、ノリの養殖が盛んな冬も活発に動き、ノリを食べるのだといいます。

(朝日漁協 豊田安彦組合長)
「去年より今年の方が(クロダイなどの)食害がひどかったので、皆苦労している。今が一番おいしい時期なので、 色が濃いうちに買っていただければ」

ノリの収穫は、長ければ3月末まで続く予定で、県は、クロダイの被害の対策も検討していきたいとしています。