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2022.10.26

適切な同意はあったのか…ハンセン病1123人分の解剖録 最終報告に向け協議【岡山・瀬戸内市】

瀬戸内市の国立ハンセン病療養所、邑久光明園で、2020年見つかった入所者の解剖録について、適切な同意があったかどうかなどを検証する会議が開かれ、最終報告に向けた最後の協議が行われました。

10月26日の会議には、人権擁護委員会のメンバー10人が出席し、最終報告書の取りまとめに向け、最後の協議が行われました。

検証は、邑久光明園で2020年に見つかった解剖録について、関係者から聞き取りを行うなどして、約2年をかけて進められてきました。

中間報告などによりますと、邑久光明園で見つかったのは、1938年から1998年に亡くなった入所者1674人のうち、約7割に当たる1123人分の解剖録です。

解剖について遺族などの承諾が確認されたのは、1969年から1979年の間の164件、入所者自身の解剖願いが確認されたのは7件でした。

最終報告書には、ハンセン病の治療法が確立された1950年以降も高い割合で解剖が行われていたことについて、医学の発展のために必要だったとは言えず、遺体の尊厳への配慮が行われなかった可能性があることや、誤った国の政策のもと、解剖が常態化した現状があったとして、入所者への人権侵害を認める内容が盛り込まれると見られています。

(人権擁護委員会 近藤 剛委員長)
「死者に対する尊厳。遺族の思いをいかに踏みにじってきたか、入所者遺族の名誉回復をするために、この事実を明らかにしたい」

最終報告書の内容については、委員会が近く、記者会見を開き説明するほか、園のホームページでも公開される予定です。