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「どの教会でもお葬式が…」 娘を頼り岡山へ ウクライナ女性の母が語る現地の生活【岡山・倉敷市】

2022.08.24

「どの教会でもお葬式が…」 娘を頼り岡山へ ウクライナ女性の母が語る現地の生活【岡山・倉敷市】

ロシア軍によるウクライナ侵攻から8月24日でちょうど半年です。戦いが長期化する中、倉敷に住むウクライナ人女性の母親が避難してきました。この半年間、彼女が見てきた現地の状況を聞きました。

8月21日、岡山空港に到着したイエブゲニア・バビィさん(69)。
 
倉敷市に住む娘のリリヤ・バビィさん(41)を頼り、ウクライナ西部の町、リビウから約1週間かけて避難してきました。
 
(イエブゲニア・バビィさん)
「岡山に来られたことはうれしいけれど 来た理由はうれしいものではない」

ロシアによる軍事侵攻でウクライナの避難民は1700万人にのぼり、人口の40%を超えています。
リリヤ3
(リリヤ・バビィさん)
「きょうはウクライナの独立記念日 1年で1番大事な日」

8月24日は、ウクライナの独立記念日。本来ならパレードにコンサートなど国を挙げてのお祭りムードになるはずが、2022年は、母国から遠い岡山で迎えることになりました。

(イエブゲニア・バビィさん)
「リビウにも何度かミサイルが落ちていて 石油貯蔵施設が攻撃を受けたときは自宅から見えるほど 大きな火事になったこともあった。その時は本当に怖かった」
リリヤ4
(リリヤ・バビィさん)
「きのうお母さんが言っていたのは 知り合いの若い男の人が軍隊から帰ってきたら 右手をなくしていた。どの教会に行っても 亡くなった人のお葬式が行われている」

現地では今、生活必需品や薬などが手に入りにくくなっているといいます。
リリヤ5
(リリヤ・バビィさん)
「地下室に避難するために作った食べ物。普通のパンだったら腐ったりするが、干してオーブンで焼くと 簡単で長く食べられる。これを見たときはショックだった。こんなものを作っているのかと」

家族にとっての思い出の場所を描いた絵も持ってきました。この建物もいつ攻撃を受けるか分からない・・・あすが見えない日々に、心が安らぐ日は1日もありません。

(イエブゲニア・バビィさん)
「この半年間落ち着くことはなく ずっと不安な気持ちが続いている」

(リリヤ・バビィさん)
「私が話していて気付いたのは 冗談とかも笑わなくなっていた。でも私の気持ちは避難できて安心した」

身の安全は確保できたものの母国への不安は消えないまま。2人は、遠く日本の地から1日も早い収束を祈っています。