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2022.08.22

相談急増 空きがない…DV被害者だけでなく“虐待やヤングケアラー”からも【岡山・津山市】

津山市の認定NPO法人が運営するDVの保護シェルターでは、今、DV被害者だけでなく、虐待やヤングケアラーなどの相談が増えています。こうした人たちを救おうとシェルターでは、新たな取り組みが進んでいます。

(DV被害者)
「たたくという問題じゃない。殴るなので、顔・おなか・足だろうがグーで(殴る)」
「息ができなかったり」
「何日もせきをすると、あばらが痛かったり」

こうしたDV被害者を保護するシェルター。津山市に事務局を置き、県内外で保護活動をする認定NPO法人「オリーブの家」が運営しています。

(認定NPO法人オリーブの家 山本康世理事長)
「ここは空いたばかりで、また入る予定がある」
「今満室、空きがなかなかない状態」

コロナ禍も影響して、DVは社会問題となり、2021年度は、全国の相談件数が17万件を超えました。オリーブの家でも相談は増加していて、保護した人は、2021年度、98人に上りました。2022年度は、それを上回る勢いで増えているといいます。

さらに最近、DV被害者だけではなく、虐待を受けた人やヤングケアラーからの保護依頼も寄せられるといいます。

(認定NPO法人オリーブの家 山本康世理事長)
「私たちも驚いた。その人はまだ子供だが、家の中では子供のような生活をしていなくて、問題を抱えた親御さんの面倒を見ていたり、自身も精神障害を患った。どこに相談していいか分からないということで」

こうした現状を踏まえ、オリーブの家では新たな取り組みを始めました。

(会議の様子)
「SNSの立ち上げをいつにするか、インスタグラム、ツイッター、ラインアットを使ってHPに掲載をしていかなくてはいけないので」

若い世代に馴染みのあるSNSを使って情報発信し、虐待を受けたまま大人になり、家族から離れられない若者や、親の介護や家事を強いられているヤングケアラーを保護する取り組みです。

20代の若いスタッフを増やし、SNSで発信されたSOSをキャッチしようというのです。

(オリーブの家 若いスタッフ 小西峻也さん)
「まず第一歩として、窓口強化は非常に重要」

(オリーブの家 若いスタッフ 山本礼知さん)
「ちょっと分からないけど、相談してみたいという軽い気持ちも拾えるように、友達感覚に近い気持ちで接したい」

心理カウンセラーの資格を持つ山本さんは、生活支援や心のケアに加え、離婚調停や役所の手続きの付き添いなど、自立できるまでのサポートを続けてきました。

約5年間の経験と実績を生かし、山本さんは今、国の補助金を受け、他の民間シェルターでも活用できるマニュアル作りを進めています。

岡山県からも参考にしたいと申し出がありました。

(認定NPO法人オリーブの家 山本康世理事長)
「いろんなパターンが見えてきた。性格傾向や発達の問題あってDVに遭いやすいとか、データや分析で分かってきたこともあるので、こういうマニュアルを公開することで予防にもつながっていくのでは」

山本さんのもとには、たくさんの御礼の手紙が届いています。シェルターを出て新しい人生を歩み始めた感謝のことば…。

(認定NPO法人オリーブの家 山本康世理事長)
「1人も虐げられる環境がなくなっていくことを、オリーブの家は少なからずやっていきたい」

SOSに必ず手を差し伸べてくれる場所がある…。オリーブの家は、これからもメッセージを伝え続けます。