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コロナ禍だからこそ見える「人間の謎」…描きたい 芥川賞作家・小川洋子さん 作家活動33年【岡山】

2022.01.06

コロナ禍だからこそ見える「人間の謎」…描きたい 芥川賞作家・小川洋子さん 作家活動33年【岡山】

2022年、活躍が期待される岡山・香川ゆかりの人を紹介します。岡山市出身の芥川賞作家、小川洋子さん。2022年、還暦を迎える年女の小川さんに新年の抱負を聞きました。

(小川洋子さん)
「デビューした時は20代だったので、自分が還暦になってもまだ小説を書いている姿は想像できなかったがなってみればどうっていうことはない。せっかく30年以上書き続けてきたのでその積み重ねがちゃんと結果で出るような小説を残したい。」
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映画化もされた「博士の愛した数式」や海外で高い評価を受ける「密やかな結晶」など穏やかで美しさに満ちた世界観の作品で知られる小川洋子さん。
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2021年は、学術や芸術で功績があった人に贈られる紫綬褒章などを受賞。26歳のデビューから33年、その作家活動をこう振り返ります。
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(小川洋子さん)
「(受賞は)思いがけないご褒美だった。いつの間にかあっという間に時が流れてその間ずっと変わらず小説を書き続けられたのは幸運だった。」
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小川さんは1962年、岡山市で生まれました。
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幼い時から本が好きで、岡山朝日高校を卒業後に小説の勉強ができる早稲田大学に入学。24歳で結婚すると専業主婦をしながら執筆活動に励み、芥川賞を受賞したのは子育て中のことでした。
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(小川洋子さん)
「子供を育てたことで自分自身が1番じゃなくなった。それはむしろとても楽な生き方。常に自分にとらわれて自分のことを1番に考えているのは苦しい。自分以外の誰かのために何かするゆとりを持つ喜びを感じられた。」
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現在は、兵庫県に拠点を置き、2人の孫に囲まれながら新しい長編小説の構想を練っているといいます。描きたいのはコロナ禍だからこそ見える「人間の謎」です。
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(小川洋子さん)
「深い目で人間とは何かを静かに考えることが文学。色んな事件も起こるし自分自身の家庭環境も変わってくる中で色んな人間の面が見えてくる。なお一層人間の謎が深まってまた小説が書きたくなる。」
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作家として人生の半分以上の時間、人間を見つめ続けてきた小川さん。2022年は、長引くコロナ禍でも希望の光を見出したいと話します。
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(小川洋子さん)
「自然界からのメッセージを受け取るような体験を人類がしたことで、また人間が進歩したと思える体験になったらいい。コロナを通りすぎた後の私たちがどうなっているか、その姿がぼんやりでも見える年にしたい。」

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