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2022.02.01

全国で3社のみ…岡山のマッチ工場が新商品開発 レトロな小箱から広がる世界【岡山・岡山市】

寒い冬に火を灯す昔ながらの道具、マッチ。生産量が年々減るなか、岡山市のメーカーがこの冬、新商品を発売しました。

これまでのイメージを覆す新しいマッチ。そこに込めた思いを取材しました。

淡いツートンカラーのかわいらしい小箱。その正体は…マッチです。

製造したのは、岡山市南区の「中外燐寸(まっち)社」。新商品にデザイン性を重視した理由は…

(中外燐寸社 田中礼一郎社長)
「アロマキャンドルやお香の売り場に、火をつける道具が一緒に売っていなかった。(キャンドルなどを)楽しむ時にぴったりのデザインのマッチを考案した」

昭和40年代の機械が現役で活躍する工場です。

現在、マッチの製造工場は、全国に3カ所しかありませんが、そのうちの1つがこの会社です。

明治時代には、全国で110万マッチトン以上生産されていましたが、時代の変化とともにその量は激減。現在は、140分の1程度の約8000マッチトンになりました。

(中外燐寸社 田中礼一郎社長)
「箱が今は紙だけど、木でできている」

大正時代に生産されたマッチは、木箱入りで…瀬戸大橋開通に合わせて写真を掲載するなど、世相を表していましたが、激減の理由は…。

(中外燐寸社 田中礼一郎社長)
「100円ライターが出てきて、(減って) タバコを吸う人が減ってきて、最後に電子タバコでとどめを刺されそうになっている」

一方で今、マッチは時代に合った側面もあるといいます。

(中外燐寸社 田中礼一郎社長)
「ごみとして捨てる時に、土へ還るものばかりを使っている。木をメインにしているので 、カーボンニュートラル。新しいニーズを掘り起こしたい」

生活必需品から環境にやさしく癒しを演出する存在へ…。姿を変えながらマッチの温かな火を守る挑戦は続きます。