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2021.12.24

2021年末回顧「気象と災害」数年に一度の寒波に記録的な大雪…【岡山・香川】

年末回顧、気象と災害です。2021年も備えの大切さを痛感した1年でした。

数年に一度の寒波が到来した年明け、岡山県北部は記録的な大雪に見舞われました。それは、自然の猛威を思い知らされる1年の始まりでした。
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(小林宏典記者)
「台風9号に伴う強い風が吹いています。台風の本格的なシーズンが到来です」
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7月から9月にかけて3つの台風が日本に上陸。加えて季節外れの寒気で、大気が不安定になり、8月には1カ月の降水量が岡山県鏡野町恩原で623.5ミリとなるなど、岡山県北部の地点は、軒並み観測史上最多を更新しました。
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(岡山地方気象台 山田貴之調査官)
「被害が出てもおかしくないような降水量。要因は台風9号と、盆の時期に日本付近に停滞した前線」
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静岡県熱海市では大雨により土石流が発生、死者と行方不明者は27人にのぼりました。土地の造成でできた盛り土の管理が問題視され、岡山、香川でも安全性の確認が進められています。
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2021年は、災害に対応する防災情報も重要な変更が相次ぎました。
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(新田俊介記者)
「避難の判断材料となるのが、自治体から出される避難情報ですが、これまで同じ大雨警戒レベル4に「避難指示」と「避難勧告」の2つがあり、分かりにくいという指摘が出ていました」
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市町村が発表する避難情報は、「避難勧告」が廃止され、「避難指示」に一本化。
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このほか、発達した積乱雲が連なり、同じ場所に長時間、雨を降らせる線状降水帯の発生も対象エリアが発表されるようになりました。
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(気象庁 長谷川直之長官)
「多くの災害を引き起こした線状降水帯という言葉をキーワードとすることで、多くの皆さんに危機感を高めてもらうことが期待できる」
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猛暑に見舞われたこの夏、危険な暑さへの啓発も。
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(小林宏典記者)
「午後1時です、手元の温度計は37.1度。暑さになれていない梅雨明けの体にはこたえます。そんな危険な暑さを知らせるのが熱中症警戒アラート。この情報が出たら警戒のスイッチオンです」

熱中症警戒アラートは、全国に運用が広げられ、この夏、岡山県で12回、香川県では16回発表されました。高温注意情報に代わる新たな指標です。
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防災情報の在り方を見直すきっかけとなった西日本豪雨は、7月で発生から3年を迎えました。
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(遺族代表 母親を亡くした松村好美さん)
「このつらい経験を教訓として、前に進んでいくことが、復興につながり、頑張り屋だった母にも気持ちが届くのではないかと思う」
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倉敷市真備町の復興計画は、2021年度から生活と産業の基盤を強化する再生期に入りました。その象徴が町内3カ所に完成した災害公営住宅です。一時は8780人いた仮設住宅の入居者は220人に減り、この公営住宅にも多くの住民が町外から戻ってきました。
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(吉永紀子さん)
「やっぱり真備がいい。住み慣れた所がいい」
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(岸下恵介アナウンサー)
「防災・減災につなげるためのハード面の対策は、西日本豪雨から3年を迎えた今、完成に向けて折り返しを迎えています」

水位の上昇を抑える小田川の付け替え工事は、2年半先の完成を目指し、半分が終わったほか、決壊した3本の川の堤防を強くする工事も計画の7割以上を終えました。被災地は復旧から復興へ、歩みを進めています。
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師走の真備町に復興のあかりがもとりました。豪雨の記憶をつなぎ備えの大切さを伝えます。
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予期せぬ災害が相次いだ2021年、被災地からのメッセージは、重みを増しています。