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「支給を受けられない!」…転居者は対象外 子育て支援給付金のナゼ【岡山】

2021.02.09

「支給を受けられない!」…転居者は対象外 子育て支援給付金のナゼ【岡山】

国の定額給付金の対象とならなかった赤ちゃんの子育て支援のため、岡山県内の自治体が独自の支援金制度を設けています。その制度がありながら支給を受けられなかったという視聴者の方からOHKに疑問の声が寄せられました。一体なぜなのか、取材しました。

岡山市に住む20代の女性。2020年5月19日、待望の長男を出産しました。出産日は岡山県が対象になっていた緊急事態宣言が解除された5日後でした。

(20代の女性)
「散歩もしっかり歩きたいけどマスク絶対ですし、その中で出産して、産んでからもなるべく出かけないようにしています。」

厳しい環境での出産や子育て。そんな中、届いたのがこんな知らせでした。

(岡山市 大森雅夫市長)
「コロナ禍の厳しい環境下では妊婦健診、立ち合い出産や里帰り出産などを行うことが難しい。妊娠や出産までの苦労をねぎらい、子育てを応援することを目的に市独自の臨時的な制度として新生児子育て応援金を創設する。」

岡山市が1月受け付けを始めた独自の支援金。国の定額給付金の対象にならなかった2020年4月28日以降に生まれた赤ちゃんの子育てを支援するため、3万円を支給する制度です。女性はすぐに申し込もうと市に問い合わせましたが、返ってきたのは思わぬ答えでした。

(20代の女性)
「途中で引っ越しをしている子は対象外と言われた。」

女性は、2020年5月に出産した時点では津山市に住んでいましたが、6月に岡山市に転居。岡山市の支給対象者は、「出生時に岡山市内に住民登録があり、支援金の申請日まで引き続き住民登録がある者」となっていて、転入した人は支給の対象外だったのです。

岡山市はー

(岡山市こども企画総務課 藤井勝課長)
「生まれて、子育てをするという趣旨でやっている。(子育てはしているという思いもあると思うが?)今回は出生からという趣旨なので…」

では、出産した津山市の制度は。岡山市と同じく、出生日から申請日まで継続して住民登録がある人が対象で、こちらも支給を受けることはできませんでした。

(岡山市こども企画総務課 藤井勝課長)
「漏れた方には申し訳ないが、制度はどこかで対象者を線引きしなければならない。」

転居がきっかけで対象外となる人がいることについて、岡山県子ども・子育て会議の会長を務める佛教大学の佐藤和順教授は。こう指摘します。

(佛教大学 佐藤和順教授)
「お金のことで財政基盤が必要なので市町村の言うことも分かるが、いつ転出するかという任意の都合でもらえないのは不平等。制度設計をしっかりしておく必要がある。」

コロナ禍の中で出産、子育てしているのは同じ。女性は行政に対し、制度からこぼれ落ちる人にも思いをめぐらせてほしいと考えています。

(20代の女性)
「もともと無いものなのですごく感謝なんですけど、こういうことがあったので取り組みを進める時にはいろんなことを視野に入れてほしい。」