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岡山放送

2026.08.14

お盆に考える ハンセン病療養所納骨堂の話【岡山・瀬戸内市】

瀬戸内市の邑久光明園と長島愛生園など全国13の国立ハンセン病療養所には、亡くなった入所者の遺骨を納める納骨堂があります。ふるさとに帰れなかった入所者たち。納骨堂の意味を考えます。

亡くなったハンセン病元患者たちの魂を慰める花火です。瀬戸内市のハンセン病療養所邑久光明園では、2026年も、地域の人たちに見守られながら、2000発の花火が打ち上げられました。

邑久光明園の納骨堂には、3270柱、長島愛生園には、3760柱が眠っています。全国13の国立療養所で、納骨堂に収められた遺骨は約1万7000柱に上ります。

(邑久光明園入所者自治会 屋猛司会長)
「昭和16年に国立化され、皆さんが納骨堂が欲しいと言い出した」

開園当初、療養所に納骨堂はありませんでした。国の誤った隔離政策で患者たちは強制収容されましたが、亡くなった後、遺骨はふるさとの墓に戻される想定だったといいます。

(Q、亡くなった入所者さんのお骨がふるさとに帰るということは・・)
(邑久光明園入所者自治会 屋猛司会長)
「まずない。持って帰れない、(家族が)自分らの家に持って帰ってお墓に入れるということは、役所に届けないといけない、どこから持ってきたのかとばれてしまう。分かったら家族に迷惑をかけるから途中で捨てたり電車の中で忘れたふりをしてそのまま放棄する」

長島愛生園入所者自治会の中尾伸治会長は、子供たちに、納骨堂の話をしてきました。

(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)
「現在愛生園の納骨堂には3800人を超える人が眠っている。この人たちが苦しい思いして長島で亡くなっていったという歴史、遺骨を家に持って帰ってもらえないことが現実に起こった。家族は長島愛生園から(瀬戸内市の)虫明港まで船に20分ほど乗らないといけないが、その帰り道に、海の中に遺骨を捨てていった、これでは駄目だと療養所に納骨堂をつくらなくてはならなくなった」

全国の入所者は551人に減り平均年齢は89.2歳。(2026年5月現在)入所者たちは、自分たちがいなくなってもハンセン病の歴史を伝えてほしいと療養所などの施設を保存することを国に求めています。納骨堂については、すでに、国が保存・管理する方針を決めています。しかしそれは、決して喜ばしいことではないと専門家は指摘します。

(国立ハンセン病資料館 内田博文館長)
「納骨堂という名前がついていて墓ではない、ふるさとの家族が入っている墓に入りたいという思いがあるから納骨。それを永久保存するのは戻れないという諦めがあるから。納骨堂の永久保存が決まって良かったと思い込んでしまうが、決してそうではない」

当事者だけでなく、家族にも及んだハンセン病による偏見・差別。それが、納骨堂がなくてはならない世の中にしてしまったのです。

(邑久光明園入所者自治会 屋猛司会長)
「当事者はものすごく優しい、家族のためだったら自分を犠牲にするのは昔から当たり前のように」

(邑久光明園入所者故・中山秋夫さんの句)
『もういいかい 骨になってもまあだだよ』