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岡山放送

2025.01.24

79歳全盲男性の夢“アジアの目の不自由な子供たちにヒカリを…”最初の目標1000人達成に…【岡山】

岡山市の79歳の全盲の男性が、アジアの目の不自由な子供の手術費用を支援する活動を続けています。目標は1000人の子供の目を治すこと。1月、その目標が達成されました。活動にかける男性の思いです。

(ヒカリカナタ基金 谷口真吾副理事長)
「994人が年末の報告だったが、カンボジアの病院から33人が完了したと聞いたので合計で1027人、1000人達成」

〇拍手が起きる様子

1027人。手術費用を支援し“光”を届けられた子供の数です。岡山盲学校の元教頭で、全盲の竹内昌彦さん(79)。竹内さんは2017年、認定NPO法人ヒカリカナタ基金を立ち上げ、支援活動を続けてきました。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「難しいと思った1000人が実現したのはびっくりすること。めでたい正月」

竹内さんは8歳の時、病気で目が見えなくなりました。盲学校を卒業後、東京の大学に進学し教師になった竹内さんは、学校や自治体からの依頼を受けて、人権についての講演会の講師を務めてきました。退職後も講演活動を続け、その謝礼金を貯めて、モンゴルやキルギスに盲学校を建設するなどアジアの目の不自由な子供たちの支援を続けてきたのです。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「この子の目はすぐ治る。ちょっとしたお金があって、ちょっとした手術をしたら見えるようになるのだけれど、盲学校に来なくていいのだけれど、そのちょっとしたお金がない。これは驚きだった」

竹内さんの目はどんな手術をしても決して見えるようにはなりません。しかし、日本円で3万円から5万円あれば手術をして視力が回復する子供がいることを知ったのです。

〇ピピちゃんと医師とのやりとり
「怖いよ」
「目を開けてごらん」
「これは何本かい?」
「5本」

(ピピちゃんの祖母)
「ピピの目が見えないと分かった時、この子を置いて先に死ねないと思いました。きょう、ピピの未来に希望が持てました。こんなうれしいことはありません」

これまでに、キルギスやミャンマー、ベトナム・カンボジアなどアジアの7カ国、1027人の子供の目を治すことができたのです。

竹内さんの活動の原動力。それは、脳性まひで生まれ、6歳でこの世を去った竹内さんの長男・健吾くんの存在です。

全国各地で行われる講演会で、竹内さんはこんなふうに話しています。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「とりあえずは1000人の子供の目を治したろう、やがてあの世に逝くことがある、その時先に逝っている息子から「お父ちゃんええことしてきたが」と、褒めてもらいたいと思う」

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「おやじよく頑張ったなと、「もう少し生かしてやるから5000人までやってこいよ」と言っているかもしれない」

〇絵を描く子供の様子

さらに多くの子供の目を救うため、ヒカリカナタ基金が今一番力を入れているのが手術を受けた子供たちに絵を描いてもらうことです。

その絵を日本に持ち帰り企業やクリニックに飾ってもらい、”レンタルアート”として寄付金を集める取り組みです。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「目が治った子供にとっても自分の絵が次の子供の目を助けるのは、うれしいと思う」

子供たちに絵を描いてもらうため、竹内さんは2023年、カンボジアの子供たちのもとを訪れました。待っていたのは、基金の支援で手術を受けたサナちゃんです。

(学校の先生は…)
「手術前はここに座っても見えなかった。黒板の近くまで上がらないと見えなかった」

〇握手する竹内さんとサナちゃん

サナちゃんは、画用紙とクレヨンを受け取ると、丁寧に絵を描き始めました。高齢のため、竹内さんが海外を訪れたのは、この時が最後となりました。

しかし、2024年、竹内さんに代わって仲間たちが訪れ、サナちゃんの絵をカンボジアから持ち帰ってきました。

(ヒカリカナタ基金 竹内直人副理事長)
「スケッチブックでもらった、4枚。最初の1枚はみんなで横で見ていたもので、残りは1年間の間にいろいろ描いてくれた」

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「あの子(サナちゃん)の将来がものすごく明るく開けた。そういう人を目の前にするとうれしい」

サナちゃんの絵も、次の子供の目を治す取り組みにつながるのかもしれません。

(ヒカリカナタ基金 中川美登里理事)
「これも買ってもらって、その収益を次の子の手術に充てたいという考えからTシャツを作った」

仲間たちのアイデアによって、活動の幅も広がっています。竹内さんの活動を支援する仲間は約800人に増え、寄付の申し出も増えました。

(仲間は…)
「どんどん支援の輪を岡山から全国に、世界中の皆さんに広げていきたい」
「真心のこもった一つ一つの活動が心に染みるし、周りの人にも伝わっていると感じる」
「(竹内さん)には(海外に)行ってほしい、年齢のことを考えるとこっちが頑張らないといけないと思う」

竹内さんの思いは引き継がれ、持続可能な支援活動につながっています。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「目が治らないという悲しみを経験しただけに、治るということがどんなに大きいか、そのことを多くの子供に喜んでもらいたい。家族に喜んでもらいたい、その願いですよ」
「どこまでいけるかなと思うが、とりあえずは5000人。5000人の子供の目を治したい次の目標です」

ヒカリカナタ基金では2025年4月、岡山市内で目標1000人達成の記念のイベントを開く予定です。