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浸水と工場爆発 豪雨2年の総社市下原地区 見えてきた新たな「課題」【岡山・総社市】

2020.07.03

浸水と工場爆発 豪雨2年の総社市下原地区 見えてきた新たな「課題」【岡山・総社市】

豪雨の被災地ですが、2年経って、復旧が大きく進んだところもあります。浸水と工場の爆発、二重の被害を受けた総社市下原地区は今、新たな課題に立ち向かっていました。

まだ骨組みの残る工場、道路を挟んだ向かい側に下原地区はあります。家の新築工事もところどころで行われ、被災した105世帯のうち86世帯が戻りました。

アルミ工場が爆発したのは2年前の7月6日、夜遅くのことでした。この地区では決壊した川の水も押し寄せ爆風と浸水、二重の被害に見舞われました。避難した世帯は9割以上に及びます。

約50年この場所に暮らす西川さん夫婦も床上浸水した家を2019年、建て直しました。
(西川博邦さん)
「まだ落ち着かんのよ。ニュースなんかで雨が降ると言ったら、また来るんじゃないかと思って」

とても住める状態ではない我が家…。工場の爆発で出た被害はどこまで補償されるのか。地区の多くの住民が同じ悩みを抱え、なかなか前に進めなかった被災直後、総社市の迅速な対応に助けられたといいます。

市内で全壊した住宅は全体の5%。床上浸水など、全壊まで至らなかった世帯も十分に手当てするため、市は国の災害救助法の指定を待たず、全国からの義援金などを独自の見舞金という形で支給してきました。2019年と比べても着実に復旧が進む中で新たに見えてきた課題もありました。

(総社市 片岡聡一市長)
「家は直っても心の復興が一番大事。困っていることがないか、みんなの輪の中に入って一緒に暮らしていきませんかと、チームワークをもう一回作り直す」

西川さん夫婦が一番、心配していることは地域が元のつながりを取り戻せるかということ。総社市と下原地区がほかの被災地よりも一足早くこの課題に立ち向かうことは、ここに住み続けると決めた夫婦の思いともつながります。

(西川博邦さん・玉恵さん夫婦)
「縦横が手をつないで皆が笑える日が一番幸せ」