
2023.12.26
「気の利いたコメント」が出せない時、落ち込むんです・・・。
先日、イオンモール岡山6階からエレベーターに乗ったら、5階から乗ってきた若い女性の2人組のうちの1人が私の顔を見るなり「あ!『なんしょん?』の方ですよね♪ いつも見てます!マスクされててもすぐ分かりました!」と声を掛けてくださいました。考え事に夢中だったところに不意打ちを食らった状態となり、とっさに気の利いた返しコメントが思い浮かばず、「あああ、じゃあ今度からフルフェイスのマスクをしなければいけませんね」と言ってしまいました。
ま~っっっっったく面白くありません。
これを書いている今も赤面するくらいで、『笑点』ならすべての座布団が没収されるレベル。微妙な空気のまま地下2階まで降りる時間の長いこと長いこと。扉が開いた瞬間に軽く会釈をして逃げるように立ち去りました。
長い地下道を駅に向かって歩きながら、先ほどの声掛けに対する「正解」の返しコメントを考え続けていました。悔しさと恥ずかしさとできっと険しい表情をしていたはずです。そのまま駅の地下改札を通ろうとすると、ちょうど改札から出て来たのがOHK四国支社に勤務する女性の先輩でした。お互いにマスクをしていたので危うくスルーするところでしたが、先輩が先に声を掛けてくれたのです。
「ああ、萩くん!お疲れ様!」
「あ~、お疲れ様です。・・・なんで岡山に?」
「うん、本社の人達とご飯を食べにね。萩くんも来る?」
「あ、ああ、今日はちょっと帰らないといけないんで。
・・・・・・エア飲みで参加します」
なんんじゃああ!
そりゃああっっっ!!
言った瞬間に心の中の松田優作さんが絶叫します。『IPPONグランプリ』ならゼロ点灯確定。ま~っっっっったく面白くない返しコメントをわずか10分程の間に2回も繰り返すなんて。これを書いている今も嘔吐しそうになるくらいの辛い記憶です。エレベーターの女性と先輩の「何言ってるんだ、この人」と言いたげなキョトンとした表情は忘れることができません。
昨夜も昨夜とて社内外の多くの人が参加する忘年会の最後に「締めの挨拶をアナウンサーの萩原さんに!」とのご指名を受け、拍手の中でマイクを握ったのですが、当たり前のあいさつに終始し、気の利いたコメントを発することができず「すみません、少し飲み過ぎて・・・」と酔ったせいにする始末(自己嫌悪)。職業柄、スピーチの機会を頂くことが多いので大体の場合はその会に応じたコメントをそれなりに考えておくのですが、昨夜はそれを怠ったための失敗で、大いに反省しています。
落語家や漫才師ではないので、決して面白いことを言って笑わせる必要はないのですが、言葉を生業(なりわい)にしているという点ではアナウンサーも共通です。来年はもっともっと「言葉の瞬発力」と感性のアンテナに磨きを掛けたいと思っています。
視聴者の皆さん、今年1年、応援してくださってありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。良いお年をお迎えください。
(ダメだ、気の利いたコメントが出てこない・・・)