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2023.09.19

生死をさまよう大けがをした元強豪校の投手 障害者野球日本代表として“世界一”を目指す【岡山】

9月9日に名古屋市で開幕する“もう一つのWBC“障害者野球の世界大会で、岡山のチームから5人の選手が日の丸を背負い出場します。生死をさまよう程の事故を乗り越え、日本代表という夢を掴んだ元高校球児を追いました。

大会は日本やアメリカなど世界5つの国と地域が、障害者野球の世界一を競うもので、“もう一つのWBC”として注目されています。その日本代表選手に、岡山のチーム「岡山桃太郎」から5人の選手(槙原淳幹選手、早嶋健太選手、井戸千晴選手、高月秀明選手、浅野僚也選手)が選ばれました。

(浅野僚也選手)
「今は自分のできることを世界大会でぶつけるだけ」

浅野僚也さんは元高校球児です。強豪・倉敷商業のピッチャーで、甲子園にも出場しました。

(浅野僚也選手 2021年)
「ここから先、空気位の感覚で、そもそも腕あるのかなという感じだったけど、退院するときもぶらんぶらん、全く動きません」

高校卒業後、浅野さんは交通事故に遭い、生死をさまよう程の大けがをしました。

(浅野僚也選手)
「野球はちょっとできなさそうねって言われて、絶望というより本当終わった」

利き手の右手の感覚がほとんどなく、思うようにボールが投げられなくなった浅野さん。インターネットで「障害者野球」を知り、再び野球を始めました。鍛え抜かれた俊敏な動きと、高校野球で培ったバッティングセンスで岡山桃太郎の全国優勝に貢献。障害者野球を続ける中で、浅野さんには2つの夢が芽生えました。

一つは、日本代表選手に選ばれ世界大会に出場すること。もう一つは・・・。

(浅野僚也選手)
「もう1回ピッチャーし誰にも負けないくらい自信持ったピッチャーになりたい」

世界大会まであと1週間となったこの日。力強くボールを投げる浅野さんの姿がありました。

(浅野僚也選手)
「ジャパンの時の練習で、投げたらいけるかも」

(キャッチャーをした井戸千晴選手)
「以前とは比べ物にならないくらい、本当に球の回転している勢いがすごい」

感覚のない右手でピッチング練習を重ねてきた浅野さん。今回は野手としての出場ですが、日本代表で再びマウンドに立つことを目指しています。

(浅野僚也選手)
「障害者野球を始めていなかったら、こんなことにはなっていない。この野球に出会えて日本代表に入れたことでなおさら、自分の中で頑張らないといけないと思ったから、そのお陰で今がある」

9日開幕の障害者野球世界大会で4度目の世界一を目指す日本。決して絶えることのない野球への情熱を胸に、岡山の侍たちが世界の舞台に臨みます。