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2024.02.14

山陽道・吉備スマートICの「機能強化」車の流れはどう変わる?課題は?【急上昇ニュース岡山】

今関心の高い話題を詳しく解説する「急上昇ニュース」です。岡山市内の高速道路の利便性を向上する取り組みが進んでいます。担当は堀さんです。

(報告 堀靖英)
2025年度の完成を目指して今進んでいるのが、山陽自動車道・吉備スマートインターチェンジ(IC)の工事です。

吉備スマートICは、岡山インターから広島方面へ1キロ余り、吉備サービスエリアの中にあります。ここを2025年度中に大型車も通れるようにし、24時間通行可能とします。完成すれば、岡山市中心部の慢性的な混雑の緩和につながると期待されていますが、課題もあります。

2月9日の朝、岡山市北区津島地区の国道53号です。

「現在朝の7時45分です。岡山市中心部につながる国道53号線。動いておりません。長い渋滞が続いています」

平日の朝のいつもの光景です。

「朝8時すぎ。岡山武道館前の国道53号の三差路に来ています。岡山インターに向かう側、岡山市中心部に向かう側、どちらも大変混雑しています」

国土交通省によると、渋滞による経済的な損失は、全国で年間12兆円に上り、1人あたり年間30時間をロスしているといいます。車の流れを中心部からいかに分散させるかは、街づくりの大きなテーマです。

山陽自動車道を岡山ICから広島方面へ下り1キロ余り。岡山市北西部にある吉備サービスエリアです。ここで進んでいるのが、ETC専用の簡易型インターチェンジ、スマートICの機能を強化する工事です。

「現在のスマートイICは普通車1台がようやく通れるほどの幅なんですが、大型車も通れるようにこの幅を広くするということです」

スマートICは、既存の施設を利用して一般道に出られるようにしたもので、吉備サービスエリアでは2005年に開設しました。現在のゲート幅は3メートルと狭く、アクセス道路も細くて曲がりくねっているため、大型車が通行できません。

現在進んでいる工事では、ゲートの幅を50センチ広げ、アクセス道路も広くします。これによって、大型車の通行が可能になります。あわせて利用できる時間も今は午前6時から午後10時までですが、24時間となります。

(岡山市道路計画課 深井真介課長)
「物流が効率化し、吉備スマートIC周辺に企業立地も期待できる」

吉備スマートICの利便性が向上すれば、山陽自動車道から市内中心部に入る車が分散し、渋滞緩和につながると期待されています。

(岡山市道路計画課 深井真介課長)
「今、国道53号の岡山市北区津島周辺がかなり渋滞しているが、岡山ICから吉備スマートICに交通が転換されることで、渋滞緩和につながる」

この工事の大きなポイントは、スマートICへのアクセス道路が、現在建設中の国道バイパスと直結することです。スマートIC付近の国道180号バイパスの一部区間、約700メートルは、2025年度開通予定。多くの大型車が流れてくることが見込まれます。

(岡山国道事務所 宮地誠工務課長)
「主たる目的は、街中へ交通が流れ込むのを回避して外でう回していただく。街中に流れ込んでいる交通が(岡山市の)西側で整理される事で効果がある」

しかし、バイパス開通による懸念もあります。それが「新たな渋滞の発生」です。

岡山市の西部を縦断するこのバイパスは、交通量の多い道路と何度も交差するため、各地で慢性的な渋滞が起きています。吉備スマートICが便利になり、交通量が増えれば、渋滞が悪化する可能性もあります。

バイパスを高架にする工事も始まっていますが、完成時期は未定です。当面は対処療法で乗り切るしかないと、国道事務所は見ています。

(岡山国道事務所 宮地誠工務課長)
「例えば右折レーンを伸ばして渋滞を緩和するとか信号の切り替わるタイミングを変えて、車の流れをよくすることを警察と協議することが考えられる」

山陽自動車道から岡山市の南部、中央卸売市場に行く場合、岡山インター経由だと約50分かかるのが、吉備スマートIC経由だと、半分になるというデータもあるんですが、あくまでバイパスが高架になった場合です。

道路はどんどん便利になっていますが、過渡期に起きる様々な課題も頭に入れておく必要があります。

以上、急上昇ニュースでした。