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2023.12.20

独自の血液検査で吉備中央町民27人から高数値のPFAS 検査結果に町長は…【岡山】

岡山県吉備中央町の円城浄水場から有機フッ素化合物PFASが検出された問題で、地区の住民が独自に行った血液検査の結果、発がん性が指摘されるPFASの一種が高い数値で検出されたことが分かりました。

(京都大学医学研究科 小泉昭夫名誉教授)
「(PFOAが)最小値でも20.4。この値だけでアメリカのガイドラインを超えている」

12月20日、円城地区の住民と専門家が会見で公表したものです。検査は11月26日に住民の有志の会が2歳から80歳の27人の血液を採取し6種類のPFASの血中濃度を調べたもので、その結果、27人全員のPFOAの数値がアメリカのガイドラインで要注意とされている20ナノグラムを超えていたということです。また27人の平均値は171.2ナノグラムと、環境省が2021年に実施した調査の70倍以上にのぼります。

ガイドラインでは20ナノグラム以上の場合、甲状腺ホルモンの検査や腎臓がんの確認などを勧めることとしていて、会見で京都大学の小泉名誉教授は数値が非常に高いことからエコー検査などを含む相談外来の開設などが必要と指摘しました。

これを受け、有志の会では改めて町民の血液検査の速やかな実施を求める要望書を山本雅則町長に手渡しました。

(円城浄水場PFAS問題有志の会 小倉博司代表)
「(検査結果を)開封してずっと見たまま。3分くらいはそのまま動けなかった。ショックだった。5年10年というスパンで町が失った信頼を回復していく、そのための血液検査でもあると町には訴えていきたい」

(吉備中央町 山本雅則町長)
「この数値を見た時は、やはり驚いた。今更ながら住民の思いに沿って、これからもやっていこうと思う」

また、20日に閉会した定例町議会では地区の住民に過去3年分の水道料金を返還する関連費用を盛り込んだ予算案が可決されました。