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2023.12.19

対策むなしく…岡山県産の「ノリ」が過去最少に 原因は高い気温と“パクパク”と食べる魚の存在【岡山】

岡山県産のノリが旬を迎え、12月上旬から生産がスタートしました。ところが2023年は過去に経験がないほどの低調な滑り出しだといいます。一体、なぜなのでしょうか。

(ノリ養殖を行う 伊加竜輝さん)
「今年のノリはすごく良いけど(例年1日で)3万6000枚から4万枚くらいはいくが、今は5000枚から6000枚くらいで量が少ない」

冬に最盛期を迎えるノリの生産。12月に始まり、1月から2月にピークを迎えますが、23年は出だしが不調だといいます。

その要因の1つは12月に入っても気温が高い日が続いたこと。そしてもう1つが、魚による食害です。

(ノリ養殖を行う 伊加竜輝さん)
「伸びるはずのところを(魚が)パクパク食べるので(ノリの成長が)そのままで止まってしまっている」

特に被害が目立つのが海水温の上昇で活動が活発化するとされるクロダイ。12月に入っても被害が出ていて、生産者らは対応に追われています。

(岡山県漁連第一業務部 山本和弥次長)
「生産者の方々、非常に努力していて食害対策の網を作られて対策したり、いろいろ努力しているが、なかなか簡単に良いノリを作らせてもらえない」

こうした中、12月19日、今シーズン初めての入札会が開かれました。県内7つの漁協から上場されたのは224万枚。22年の約304万枚を80万枚下回り、過去最少となりました。また、収穫量が確保できないことから次回の入札会は中止が決まっています。

また、香川県でも同じような状況から生産は低調な滑り出しで、第1回の入札会は予定より1週間ほど延期されることになりました。

岡山県漁連は「現在は順調に気温が下がっていることなどから今後の生産枚数は増加すると期待している」とコメントしています。