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2023.12.12

WHOが吉備中央町の浄水場から検出のPFOAの「発がん性」評価を2段階引き上げ 専門家に聞く【岡山】

この有機フッ素化合物を巡っては、円城浄水場の水からも検出された一部の物質について、WHO=世界保健機関のがん研究機関が12月、発がん性の評価の引き上げを公表しました。

WHOのがん研究機関は、ヒトに対する発がん性に関する様々な物質や要因を評価し、4段階に分類しています。

このうち、円城浄水場で検出された有機フッ素化合物、PFASの一種PFOAの発がん性を「可能性がある」から最も高い「ある」に2段階引き上げたと公表しました。また、同じく検出されたPFOSについては、上から3番目の「発がん性がある可能性がある」に初めて位置づけました。

(生本ひなの記者)
「今回、PFOAについては動物実験だけではなく、人に対しての研究で発がん性の十分な証拠があるとされ、同じ分類にはたばこの煙やアスベストが挙げられます。この結果についてPFASに詳しい専門家に聞きました」

(京都大学大学院 原田浩二准教授)
「がんに関して細胞の増殖を促すような作用、がん細胞を取り除く免疫機能が弱まるというメカニズムの面からも発がん性を支持するというのが今回の評価の大きなところ」

摂取量と発がんリスクの関連性などについてはさらに研究が進められています。

(京都大学大学院 原田浩二准教授)
「有害性として発がん性があるということが評価されたので、それを重視してリスク評価を各機関が行う必要がある」

また、原田准教授は、摂取した可能性のある人はこうした健康リスクに目を向けてほしいと話します。

(京都大学大学院 原田浩二准教授)
「リスクが上がっているかもしれないが、その影響が出てこないようにするということが重要。そういった点で住民自身が心がけるということもあるし、町としても住民に対する医療支援を行ってくことも重要」