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2023.11.24

店に並ばない野菜がおいしいスイーツに!アップサイクルフードって?【エコナビ・岡山】

続いては瀬戸内のエコな話題をお届けする「エコナビ」。今回のテーマは今注目を浴びている『アップサイクルフード』です。

アップサイクルとは、リサイクルやリユースとは違って、廃棄される予定だった製品や素材をそのまま使うのではなく、手を加えて価値をつけて新しい製品へと生まれ変わらせる手法です。ファッション業界では盛んに行われていますが、最近食品業界にもその波がやってきていて、岡山でも取り組みが進んでいます。今回取材したのはドーナツです。ある秋の味覚をアップサイクルしています。

秋が旬のサトイモ。雄大な自然に囲まれた岡山県奈義町は、県有数の産地です。サトイモの栽培歴60年の中井文子さんの畑ではいま、収穫の最盛期を迎えています。

奈義町は、「黒ぼこ」と呼ばれる火山灰が数千年かけて風化した軽くて柔らかい土があり、ねばりのある大きなイモが育ちやすいとのこと。しかし…?

(サトイモ生産者 中井文子さん)
「こうすると、これが子芋、孫芋。」

(森下花音アナウンサー)
「これが親芋?」

(サトイモ生産者 中井文子さん)
「親芋、はい。昔から親芋は(出荷)しない。親芋は食べたことない」

サトイモは、茎が生えているのが親芋、その周りにできる小さいイモが子芋、孫芋とよばれます。子芋と孫芋はスーパーなどで販売されますが、親芋はサイズが大きく販売しにくいためか市場に出回ることはあまりありません。

(サトイモ生産者 中井文子さん)
「このまま畑に置いて、ひきこんでしまう」

中井さんの畑では親芋はしばらく放置し、その後土に還していましたが、食べられるのにもったいない!と立ち上がったのが地元の主婦たちです。

地元の「山の駅」の敷地内に2022年春にオープンしたおさじの工房。子育てをする母親たちをターゲットにお菓子などを提供する店で親芋をふかして生地に練りこんだ焼きドーナツを開発しました。

(おさじの工房 黒籔愛実さん)
「味食べられるのにもったいないということでどうすれば親芋がおいしくアップサイクルできるか試作を重ね色とりどりのドーナツを完成させた」

アップサイクルの『さといもドーナツ』は、ほうれん草やいちじく、ブルーベリーなど野菜や果物を味付けに使い、見た目もカラフルに仕上がっています。特産品であるサトイモの親芋を活用していることから、『さといもドーナツ』は町のふるさと納税の返礼品にもなっています。