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2023.11.22

円城浄水場の水から有害性指摘「PFAS」問題 ”水質が改善”吉備中央町が使用制限解除【岡山】

岡山県吉備中央町の浄水場から国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物PFASが検出された問題で、飲み水としての利用制限が約1ヵ月ぶりに解除されました。

吉備中央町のかもがわ総合福祉センターにある給水所です。問題が発覚してから約1ヵ月間設置されていた町内6カ所の給水所は11月25日からはこの1カ所に集約されます。

(住民は)
「うれしい。水を忙しくても、取りに行かなくてはいけなかった。なかなか大変だった」
「怒りもあるが感謝もある」

町はきょう、円城浄水場から供給している水について、10月16日から行っていた飲み水としての利用制限を11月22日正午に解除したと発表しました。

町はこれまでに浄水場の水源を河平ダムから日山ダムに切り替え、11月2日からおとといまでに町内の浄水場や配水池など49カ所で水質調査を実施し、全ての場所で目標値を下回る結果が確認されたということです。

(吉備中央町 山本雅則町長)
「町民の信頼を回復できるように、水道事業者としても適切な管理を行い、安全な水の供給を今後行っていきたい」

町は、しばらく使用していない蛇口については、飲み水として使用する前に5分程度流して使うよう呼び掛けています。

一方、岡山県は水源だったダムの周辺で見つかった活性炭から目標値の9万倍のPFASが検出されたと11月22日の会見で明らかにしました。

(岡山県循環型社会推進課 堂本竜也課長)
「(活性炭から)高い値が検出されたため、排出源の可能性が極めて高い」

円城浄水場ではこれまでに去年を最大に目標値の28倍のPFASが検出されていました。県は、円城浄水場の水源だった河平ダムの周辺で使用済み活性炭が入った袋や野ざらしの状態で置かれた活性炭を発見。

この活性炭は、約580個の袋に入れ替えられ、保管していた業者によって撤去されています。そのうち18個を県が調べた結果、9個が目標値を超え、道路近くで採取された袋に入っていなかった活性炭からは目標値の9万倍に値する450万ナノグラムのPFASが検出されたということです。

県は、この活性炭が発生源の可能性が高いとする一方で、断定はできないとして、袋が置かれていた場所や周辺の土壌の採取を行うなど、浄水場から検出されたPFASとの因果関係を調べ、発生源の特定を急ぐことにしています。